ストレスは人生を破壊し、時には命をも脅かす本当に恐ろしいものです。
なんなら、病気や犯罪よりもよっぽど危ないんですよ。
日本の15〜39才の死因の第1位は自殺です。
悲しい現実ですよね、、、
逆に考えると、
「ストレスにどう対処すべきか?」
この問いに正しく答えることができれば、たくさんの命を救うことに繋がります。
そして、これまでに数々の哲学者がこの答えを考えてきました。
当サイトでは、これら哲学者が考えた「大きすぎるストレスへの対処法」をまとめます。
みなさまのストレス軽減に少しでも貢献できたら幸いです。
1. 今日1日だけに集中する
ベストセラー「道は開ける」の冒頭には「今日1日だけに集中せよ」と書かれています。
これが何を意味するかというと、我々のストレスは未来の心配に起因することが多いということです。
「今日も嫌な1日が始まった、、、、」
「明日もまた出勤しないといけない、、、」
「明日の発表が怖い、、、」
これらはいずれも未来を心配していることが原因です。
これは、人間の脳が「未来を過剰に心配」するように進化したことに由来します。
古代では、「未来を過剰に心配」する方が生存競争で有利に働きます、
そして不幸なことに、「未来を過剰に心配」してしまう特性は現代人の脳においても色濃く残ってしまっています。
何が言いたいかというと、心配というのは起こる可能性が予想よりもずっと小さいということです。
これはストレスに対処する上でめちゃくちゃ重要な知識です。
おそらくあなたの人生を振り返っても、心配のほとんどは実際には起こらなかったことが多いのではないでしょうか。
人生意外となんとかなるものです。
そのことを知らずに、未来のことをグルグルと心配し続けると、たちまち潰れてします。
どんなに辛くても今日1日分のストレスだけならなんとか耐えられますよね。
明日のストレスは明日の自分がなんとかしてくれるはずです。
そして逆説的ではありますが、今日1日に集中することは結果として未来への最大の備えになるのです。
あなたは明日の心配をするあまり今日を台無しにしていないですか?
未来の心配を頭から追い払って、今日という日を楽しむことだけにに全力を注ぎましょう。
2. 自分のできることだけに集中する
これは、アドラー心理学の「課題の分離」というテクニックになります。
具体的に言うと、ストレスに対して「自分の課題」を明確化し、それのみに全力を注ぐというテクニックです。
(このテクニックは、ベストセラー「7つの習慣」では「影響の輪、関心の輪」と呼ばれています。)
例えばあなたが「明日の発表が怖い」という悩みを抱えているとしましょう。
ここで課題の分離を用いると、
自分の課題:資料をまとめる、発表練習をする、知識を蓄える
その他の課題:怒られる、言葉につまる、予想外の質問をされる
こんな具合に課題を分離してやれば、本当にリソースを割くべき「自分の課題」がわかるはずです。
そして、あなたのストレスのほとんどが「その他の課題」に分類されていることに気づくでしょう。
「その他の課題」は悩んでもどうにもできないので、そんな暇があったら直ちに「自分の課題」に取り組みましょう。
また、ナチス強制収容所での体験を書き残した「夜と霧」においても
「どんなにひどい状況であっても、その状況にどう向き合うかという自由は奪われない」
と述べています。
例えば、発表がうまくいかず上司に怒られたとしましょう。
当たり前ですが、上司から怒られた事実(その他の課題)は変えようがありません。
しかし、上司から怒られた事実にどう向き合うか(自分の課題)はあなたの自由です。
全体の内、自分の課題がたった1%だとしても、それとどう向き合うかは100%コントロールできます。
(実際、心理学実験によって「状況をコントロールできている感覚はストレスの軽減に効果的である」と示されています。)
おそらく、これからの人生であなたの望まない出来事はたくさん起きることでしょう。
それを不幸で無意味な出来事と一蹴は簡単です。
しかし、望まない出来事から楽しさや意味を見出すことは「自分の課題」です。
そして、望まない出来事ですら楽しんで意味を見出せる人こそ、本当にすごい人間だと思います。
普通の人にはなかなかできることではないですから。
追い込まれた時こそ、「この状況ってもしかしたら面白くね?」ってぜひ自分自身に問いかけてみましょう!
3. 下を見る
「上には上」がいるのと同じように「下には下」がいます。
そして、自分より下の人に注目することでストレスを軽減できます。
アドラー心理学では「人の悩みの全ては人間関係に由来する」と断言しています。
言い換えると「悩みは他人との比較から生じる」ともいえます。
例えば、
・(他人と比較して)身長が低い
・(周りの人は楽しそうな中で)孤独だ
・(若い人もいる中で)老けてきた
これらは結局「(自分より上と比較して)自分の悩み」っていう構造になってます。
ならば悩みをなくす方法は簡単で下と比較すれば良いのです。
例えば、あなたが職場の上司との人間関係に悩んでいるとしましょう。
そんな時は、上司・同僚・労働条件の全てが自分よりも悪い環境で一生懸命働いている人がいることを思い出しましょう。
下に注目すると、自分はまだまだ恵まれていると思えますよね。
ここで自分のことを「下を見て安心するなんでどうなの?」と思う必要はありません。
特に真面目な人ほどそう思ってしまうかもしれません。
ですが、どんな人でもストレスで参ってしまうことはあります。
立ち直った時にまた上を向いてがんばりましょう。
そして覚えておいて欲しいことは、ストレスは時間が解決してくれることが多いということです。
ストレスに真正面からぶつかれば、思考力を奪われ生産性を下げることになるで、逃げて時間経過を待つ方が実用的です。
そしてストレスから解放されたその時から、また上を見て前に進めばいいのです。
4. 全ての経験は未来へと繋がっている
スティーブ・ジョブスの「点と線」の話をご存知でしょうか?
You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. (引用)
(点と点をあらかじめ繋ぐことはできない、繋がったと気づくのは後になってからだ。だから、点と点は未来で繋がると信じて進まなければならない)
ジョブズが大学を中退して興味本意でカリグラフィーを学んだ経験(点)が、Macの美しいデザインに繋がった(線)という話です。
何が言いたいかと言うと、今は無意味に思える経験も未来で必ず何かの役に立つということです。
人生に無駄なことなんて何一つなくて、何の役に立つのかはわからないだけです。
あなたのストレス経験を思い返して下さい。
当時は辛い日々だったとしても、今振り返れば自己成長に繋がったのではないでしょうか?
今あなたが感じている苦しみも、未来では大きな成長の糧に変わっているはずです。
こう考えると、ストレスですら人生にとって必要なものと前向きに考えられますよね。
実際、ベストセラー「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」でも、「ストレスは役に立つと認識すると生化学的にもストレスが軽減される」と述べられています。
いい経験も悪い経験も人生のスパイスだと思って楽しんでみてはいかがでしょうか。
5. まとめ
今回は、哲学者が考えたストレス対処法についてまとめました。
皆様の人生が少しでもより良いものとなることを願っております。