SEKIROの最初の壁と言われているのが「まぼろしお蝶」です。
過去の平田屋敷で狼と戦うことになるのですが、
「まぼろしお蝶って何者?」
「なんでいきなり戦うことになったの?」
「平田屋敷の真相は?」
といった疑問をお持ちかと思います。
そこでこの記事では、まぼろしお蝶の正体や目的などについて考察していきます。
狼の師匠
お蝶の正体は狼の師匠です。
お蝶が狼の師匠であることは「戦いの記憶・まぼろしお蝶」のテキストに記載されています。
戦いの記憶・まぼろしお蝶
まぼろしお蝶は、義父が狼にあてがった
忍び技の師の一人である
師と言うが、手取り教えるわけも無し
忍びの技は、戦いの中でのみ育まれる
義父(=梟)の意向で、お蝶が狼に忍の技を教えていたことがわかりますね。
幻術の使い手
ゲームをプレイしたことのある人ならお分かりかと思いますが、お蝶は幻術の使い手です。
お蝶が幻術の使い手であることは、「まぼろしクナイ」のテキストにも記載されています。
まぼろしクナイ
まぼろしお蝶の使ったクナイ
「手裏剣」の強化義手忍具の作成に使える
投げると音が鳴り、クナイを追ってまぼろしの蝶々が飛ぶ
うら若き頃、お蝶は、葦名より北に離れた
薄井の森にて修行を積んだ
彼の森は、霧とまぼろしで満ちている
幻術を修めるには、またとない場所だ
お蝶の使う幻術は、お蝶が若い頃に「薄井の森」で修行して身につけたということがわかります。
この「薄井の森」ですが、梟(または梟の一族)が所有していた土地であると考えられます。
というのも、梟の本名は「薄井右近左衛門」であるためです。
梟の所有地でお蝶が修行をしていたことは、お蝶の主が梟であると考えると納得できます(これについては後述)。
ちなみにこの「薄井の森」ですが、ゲーム中の鬼仏でいうと「隠し森」だと思われます。
隠し森の位置は葦名城から見て北側にあります。
また、「隠し森」のエリアは霧で満ちていますし、霊体(=幻)もウヨウヨしています。
そして、隠し森の先にあるのが「水生村」ですが、お蝶は戦闘中に水生村の住人そっくりの霊体を召喚してきますね。
まとめると、お蝶は若い頃にこの「隠し森」で梟と出会い、さらに幻術の修行をしたことで、高レベルな幻術の使いの忍びになったのだと考えられます。
狼とお蝶が戦った理由(確定している情報)
さて、お蝶に関して最も考察が難しいのが「平田屋敷でなぜ狼と戦ったのか?」ということです。
結論を先に言うと、梟の指示で狼を殺害しようとしたのだと考えられます。
そして、なぜ梟が狼を殺害しようとしたのかというと、御子様が狼に竜胤の力を与える状況を作るためであると考えられます。
この結論について説明する前に、まずは確定している情報から整理してみます。
確定している情報
1:平田屋敷は葦名側の施設
2:平田屋敷を襲ったのは内府の雇った野党
3:内府に情報を流したのは梟
4:表面上、梟と狼は共に平田屋敷の警護をする立場
5:表面上、お蝶は内府の立場
6:お蝶は梟の部下
7:狼を殺したのは梟
8:梟の目的は、竜胤の力を手に入れること
それぞれの確定している情報について根拠を挙げていきます。
・平田屋敷は葦名側の施設
平田屋敷が葦名側の施設であることは、以下の野上玄斎の発言が一番わかりやすいです。
野上玄斎
お主、この危地に、よく参じたのう
はぐれ忍びも、捨てたものではないわ
儂は、若様を…九郎様を、救わねばならぬ!
そうせねば、一心様に申し訳が立たぬわ
「一心様」は葦名のボスであるため、平田屋敷にいる侍は葦名側であり、平田屋敷が元々葦名側の施設であったことがわかります。
・平田屋敷を襲ったのは内府の雇った野党・内府に情報を流したのは梟
「平田屋敷を襲ったのは内府の雇った野党」と「内府に情報を流したのは梟」については、孤影衆の正就とうわばみの重蔵の以下の会話からわかります。
孤影衆の正就
平田屋敷、存外に容易かったな
梟の手引きも、なかなかのものではないか
うわばみの重蔵
…オレは、好かねえなぁ
あの爺は、どうにも胡散臭えや
グビッグビッグビッ… プハアァ…
あれは、外道… ド外道だぜ、正就さんよう…
孤影衆の正就
まあ、我慢しろ
いかに企もうと、所詮は田舎のはぐれ忍び
何ができることもあるまい…
うわばみの重蔵
エエエップ
ケッ… オレは、銭と酒さえ都合してもらえりゃあ、文句はねえさ
孤影衆が内府側であることを考えると、梟が内府に平田屋敷の情報を流して、内府が孤影衆と野党(=うわばみの重蔵たち)を使って、平田屋敷を襲わせていることがわかります。
・表面上、梟と狼は共に平田屋敷の警護をする立場
まず、梟が平田屋敷の内部の人間であることは、上述した孤影衆の正就とうわばみの重蔵の会話から推察されます。
そして、内府の賊にやられた(ふりをしている)梟は、駆けつけた狼に対して以下のように話しています。
梟
不覚を…とった
この儂も…老いたものだ…
手当はよい…
この傷では…もはや助からぬ…
………それより、狼よ…これを…
お屋敷の…隠し仏殿の鍵よ
御子さまは…そこ…に…
狼よ、忍びの掟は、忘れておらぬな…
主は絶対…!
狼よ…命を賭してお守り…するの…じゃ…
狼に「御子さまを守れ」と命令していることから、表面上は梟と狼は共に平田屋敷を警護する立場にあったことがわかります。
・表面上、お蝶は内府の立場
お蝶が内府の立場であることは、お蝶戦の直前にいる伊之助と、伊之助のおばあちゃんが「恐ろしい幻術をみた」といった話をしていることからわかります。
伊之助のおばあちゃん
儂は…恐ろしきものを見た
次から、次へと…
とめどのう、とめどのう…!ひいい!
若様…若様が、お屋敷の奥に…
儂の倅が…伊之助が向かったゆえ、無事と思うが…
はぐれ忍びよ、念のためじゃ
お主も、若様を救いに行っておくれ
お蝶は幻術の達人であるため、この幻はお蝶が見せたものであると考えられます。
そして、伊之助と、伊之助のおばあちゃんは御子様を守ろうとしていることから平田屋敷側の人間です。
したがって、お蝶は(少なくとも表面上は)内府側であることがわかります。
・お蝶は梟の部下
お蝶が梟の部下であることは、先ほども紹介した「戦いの記憶・まぼろしお蝶」のテキストで示されています。
戦いの記憶・まぼろしお蝶
まぼろしお蝶は、義父が狼にあてがった
忍び技の師の一人である
師と言うが、手取り教えるわけも無し
忍びの技は、戦いの中でのみ育まれる
上のテキストから、梟がお蝶に命令を下せる立場にいることがわかります。
そしてさらに言うと、先ほども述べましたが、お蝶の主が梟なのではないかと筆者は予想しています。
そう考えることで、梟とお蝶が共に葦名一心に仕えていたことにも説明がつきます。
そして後述の考察との整合性が取れます。
・狼を殺したのは梟
お蝶を倒した後に、狼は何者かに不意打ちされて胸を貫かれます。
これは、梟の仕業です。
梟が狼を不意打ちしたことは、後に狼が梟に対して「影落とし、お返し致す」と発言していることからわかります。
「影落とし」とは忍び(=影)を殺す(=落とす)ことを意味しています。
つまり、「影落とし、お返し致す」とは、「平田屋敷での不意打ちをお返しします」という意味になります。
また、梟は狼を最初から殺すつもりだったことは「孤影衆 牙伏せの正就」の以下のセリフからわかります。
孤影衆 牙伏せの正就
…ほう、話が違うではないか
お主、なぜ生きておる
まあいい、始末すれば、辻褄も合うというものよ
平田屋敷を内府が襲撃した時点で、梟は狼を殺すことを計画していたことがわかりますね。
・梟の目的は、竜胤の力を手に入れること
梟の目的が竜胤の力を手に入れることであることは、梟と狼が再戦する時の以下の会話からわかります。
狼
義父上…
生きておいで…だったとは…
梟
謀よ
お前こそ、あの夜、死んだと思うておったがな
狼
御子様のお力にて、死人より帰りました
梟
それよ
狼
は?
梟
儂はあの御子の力を…
竜胤を手中にしようと思う
狼
ですが…
梟
…わかっておる
第一の掟により、父が命じる、主を捨てよ
今より、あの御子はお前の主ではない
上の会話から、梟が竜胤を手に入れようとしていることがわかりますね。
(また梟の「それよ」を深読みすると、「御子様のお力にて、死人より帰りました」が、あたかも梟の計画の一部であったかのようにも解釈できます。)
狼とお蝶が戦った理由(考察編)
さて、先ほどの確定している情報をもとにして考察を進めていきます。
確定している情報
1:平田屋敷は葦名側の施設
2:平田屋敷を襲ったのは内府の雇った野党
3:内府に情報を流したのは梟
4:表面上、梟と狼は共に平田屋敷の警護をする立場
5:表面上、お蝶は内府の立場
6:お蝶は梟の部下
7:狼を殺したのは梟
8:梟の目的は、竜胤の力を手に入れること
これらの情報から筆者が導きだした結論は、「お蝶と梟がグルになって、狼に竜胤の力を与えようとした」です。
この考えのもと、ストーリーを見返すと辻褄が合います。
まず、梟は内府にやられたふりをして、狼とお蝶を戦わせるように仕向けてきます(4:表面上、梟と狼は共に平田屋敷の警護をする立場)。
そして、表面上は内府側となったお蝶によって捕われた御子様を、狼が救出するという構図ができます(5:表面上、お蝶は内府の立場)。
次に、梟によって狼が殺されます(7:狼を殺したのは梟)。
最後に、御子様の竜胤の力で狼が蘇ります(8:梟の目的は、竜胤の力を手に入れること)。
ここで、御子様が竜胤の力で狼を蘇生させた理由は、「狼が自分のために戦ってくれたため」です。
御子様
私のため、そなたは戦ってくれた
捨て置くことなど、できるものか
狼よ、我が血と共に生きてくれ
そして、「狼が自分のために戦ってくれたため」という構図を作ることこそが梟の狙いであったと考えられます。
息子である狼が竜胤の力を得ることは、梟が竜胤の力を手に入れるのとほとんど同義ですからね、、、
さらに言うと、狼を生贄として黒の不死斬りの開門によって、梟は不死+全盛期の強さを手に入れようとしていたと考えられます。
梟の目的の詳細についてはこちらの記事で解説しています。
まとめると、御子様が竜胤の力を使って狼を蘇らせる状況を作るために、梟は内府に情報を流して、御子様を襲わせたのだと考えられます(3:内府に情報を流したのは梟)。
問題は、お蝶の目的がなんだったのかということです。
結論を言うと、梟の大願成就であると筆者は考えています。
これは、先ほど述べたように、お蝶の主が梟であるとするならば当たり前ですよね(6:お蝶は梟の部下)。
梟曰く、「親・主は絶対」ですから。
仮にお蝶が梟を裏切って内府側に付いていた場合、お蝶戦の前のムービーで、あんなに簡単に御子様を逃すとは思えません。
逃げているく御子様に目もくれず、「さて…やろうか…せがれ殿」と言っていることからも、狼と戦うこと自体が目的であったという印象を受けます。
また狼に敗れた際にも、「腕を……あげたね……狼……」と、狼の成長を喜んでいる節があります。
仮にお蝶が内府側だった場合、こんなセリフを言うとは思えません。
したがって、梟の目的(=狼が竜胤の力を継承すること)のために、御子様の前で狼を殺そうとしたと考えらえられます。
なぜ桜雫を所持していたのか
残る最後の疑問は、なぜお蝶が「桜雫」を所持していたのかということです。
桜雫に関する情報をいかにまとめます。
御子様
これは、もしや…
桜雫か
狼
それは…
御子様
竜胤の、不死の契約が成らざるとき…
引き換えに残るものという
狼
丈様が、残されたものでしょうか
御子様
…であろうな
狼よ、もし望むのならば…
この桜雫もまた、そなたの力としよう
桜雫
不死の契約成らざる時に、
引き換えに残ると伝わる桜色の結晶
回生の力を、一回分成長させる効果がある
不死の契りをやり直し
新たな回生の力を授かるには、
竜胤の御子の助けが必要だろう
つまり、桜雫は丈が残したものであり、御子様の助けがあれば竜胤の力を手に入れることができるアイテムです。
さて、なぜお蝶が桜雫を所持していたのかですが、それはお蝶自身が竜胤の力を手に入れるためであると筆者は考予想しています。
これは、お蝶が御子様に幻術をかけていたことから推察されます。
わざわざ桜雫を御子様のところに持っていって、幻術をかける、、、、やることは一つですよね。
つまり、御子様を幻術で操って、桜雫の力(=竜胤)をお蝶自身に与えさせようとしていたと考えられます。
そしてお蝶は竜胤を手に入れて、自らを生贄とする黄泉返りによって、全盛期+不死の梟を実現しようとしていたと考えられます。
梟からすれば、黄泉返りを実行してくれるなら、竜胤を持っている者はお蝶でも狼でもいいわけですからね。
竜胤を持っている者が誰でもいいことは、葦名城天守閣で御子様に振られたあとに、すぐに狼に乗り換えてることからもわかります。
ちなみに、お蝶戦前のムービー中で、幻術をかけられた御子様の「父上…母上…」というセリフは、父や母を竜胤で蘇らせる幻を見せることで、お蝶が竜胤を得るためのものだったのかもしれません。
結果、幻術はうまく機能しなかったためか、狼に邪魔されたためか、お蝶は竜胤を得ることができませんでした。
そこで、狼に竜胤を与えるという第二の計画に舵を切ったのだと考えられます。
ちなみに、お蝶が桜雫を手に入れた経緯は(丈から託されたのか、はたまた奪い取ったのか、、、)は色々調べたのですがわかりませんでした。
丈は竜胤を断ちたかったのに対して、お蝶は桜雫を使って新しく竜胤を作ろうとしているので、個人的には丈がお蝶に託したのではないかと思います。
おわりに
以上でまぼろしお蝶に関する考察を終了したします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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