竜の帰郷エンドをわかりやすく解説&考察 [SEKIRO]

変若の御子 SEKIRO

SEKIROのエンディングの中で最も「????」となるのが「竜の帰郷エンド」だと思います。

そこでこの記事では竜の帰郷エンドをわかりやすく解説&考察していきます。

竜の帰郷エンドとは、「揺り籠」となった変若の御子に九郎を宿すことで、竜を西に返すエンディングのことです。

桜竜はかつて西から来た存在であることは、「戦いの残滓・桜竜」のテキストに記載されています。

戦いの残滓・桜竜
桜竜は、神なる竜
古く西から流れ着き、この地に至った
この葦名には、ひと際古い土地がある
古い土や岩が、そこに染み渡った水が、
神なる竜を根付かせたのだ

桜竜

桜竜の正体についてはこちらの記事で解説しています。

そして、本来はいるべきではない存在(=竜胤)のせいで葦名の生命に歪みが生じていることが、以下の変若の御子のセリフで示唆されています。

変若の御子
そうです
竜胤は… 故郷を放たれ、この日本(ひのもと)に流れ着いたもの
あるべきではない場所に、あるべきではないものがある
ゆえに、我らのような歪んだ命を生み出そうとする者が
絶えぬのでしょう
竜胤や、竜胤に連なる我らは… きっと、帰るべきなのです
西へ…。神なる竜の故郷へと…
ただ、如何にしてたどり着くか…
それが、まだ分かりません

だからこそ、竜を本来いるべき場所である西に返すというのが「竜の帰郷エンド」です。

竜の帰郷エンドに必要なアイテムは「永旅経・竜の帰郷の章」のテキストに記載されています。

永旅経・竜の帰郷の章
永い悟りの旅路へいざなう経典。その一節
 我、死なず。竜の帰郷をただ願う
 みな死なず、永く待とうぞ
 竜胤の御子が、つめたい竜の涙を飲み干し
 竜胤の揺り籠が、二つの蛇柿を食すのを
 揺り籠の命果てず、御子を宿さば、
 西への帰郷は叶うだろう

竜の帰郷エンドは、竜胤の御子(=九郎)が桜竜の涙と氷涙を飲み、竜胤の揺り籠(=変若の御子)が2つの蛇柿を食べることが必要になります。

では、なぜ桜竜の涙、氷涙、2つの蛇柿によって竜胤の御子を揺り籠に宿すことが可能になるのでしょうか?

それぞれのアイテムの役割について、以下で詳しく考察していきます。

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桜竜の涙

桜竜の涙の役割は九郎と桜竜を一体化させることであると考えられます。

桜竜の涙
桜竜から頂戴した涙
拝涙は、不死斬りでのみ叶う
桜竜のその身は常しえ
一度流れた涙もまた、形を保ち
常しえに乾くことはない
この竜の涙を竜胤の御子に飲ませれば、
不死断ちは叶うであろう

桜竜の涙が九郎と桜竜を一体化させる役割であることは、「不死断ちエンド」で桜竜の涙を飲んだ九郎を不死斬りで殺害することで「不死断ち」が達成されることからわかります。

要するに、桜竜の涙を飲んでいない九郎を不死斬りで殺しても、大元の桜竜は死なないため、不死を完全に断つこと(=不死断ち)とはならないというわけです。

では、なぜ桜竜の涙を飲むと九郎と桜竜が一体化するのでしょうか。

それは、SEKIROの世界観においては、血を飲む行為は対象と一体化することを暗示しているためです。

関連する事象として、「不死の契り」が挙げられます。

不死の契りは、竜胤の御子(=九郎)が対象の血を飲むことで成立すると考えられます。

不死の契り

不死の契りについてはこちらの記事で解説しています。

そして、不死の契りを交わした狼と九郎が一体化していたことは、「常桜の花」の花のテキストで示唆されています。

常桜の花
古い記憶の中で咲いていた。常桜の花
丈が仙郷の名残として持ち帰り、
接いで咲かせた花である
人返りを望むならば、竜の涙と常桜の花を
竜胤の御子に飲ませれば良い
そして、もう一つ
「竜胤の血を受けた不死は、その主を縛る」
ゆえにそれを断つことだ

以上の状況から、血を飲む行為は対象と一体化することを暗示していると考えられます。

そして、涙は血液の一種であることを考慮すると、涙を飲む行為も対象と一体化することを意味すると考えられます。

以上の考察から、桜竜の涙の役割は九郎と桜竜を一体化させることであると考えられます。

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氷涙

氷涙の役割は、揺り籠となった変若の御子と九郎を一体化させることであると考えられます。

氷涙
揺り籠となった変若の御子が零した涙
それが、凍てついたもの
竜の涙と、この氷涙を
ともに九郎に飲ませることで
揺籃の儀を成すことができる
つめたい竜の涙とは、そのことだ

先程述べた通り、涙(=血)を飲む行為は対象と一体化することを意味します。

したがって、変若の御子の涙と九郎が飲んだことで、変若の御子と九郎が一体化することが可能になるのだと解釈できます。

では、「氷」とは何を意味しているのでしょうか?

これは、変若の御子が生命力を失っていること、つまり揺り籠となったことを意味していると考えられます。

一般的に「冷たい」とは生命力を失った状態を暗示しており、SEKIROの世界観においても同様であると考えられます。

実際、「赤成り玉」のテキストでは、生命力が宿った状態が「あたたかく、脈打っている」と表現されています。

赤成り玉
食らえば赤目と成る、赤く丸い塊
赤目になれば、敵の攻撃に怯みづらくなる
ただし、回生の力は使えなくなる
赤成り玉は、
成りたいものに、成れなかった者の名残り
触れば仄かにあたたかく、脈を打っている

また、「細雪」のテキストでは「つめたさは、米を甘くする」と記載されています。

細雪
変若の御子の手のひらより
零れ落ちた、つめたい白銀のお米
HPがゆっくりと中回復する
お米よりも、その回復量はわずかに増している
つめたさは、米を甘くする
お米はやはり大事
噛めば噛むほど、ますます甘く、
ますます元気も出るだろう

これは、「つめたさ」によって米に宿った小さい神々の生命力を抽出したことで、米の甘さが増したのだと解釈できます。

以上の考察から、氷涙の役割は、揺り籠となった変若の御子と九郎を一体化させることであると考えられます。

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2つの蛇柿

2つの蛇柿の役割は変若の御子を揺り籠にすることであると考えられます。

2つの蛇柿とは、「生の蛇柿」と「乾き蛇柿」のことを指しています。

また、「生の蛇柿」の役割は変若の御子の生命力を失わせる(=冷たくする)ことであり、「乾き蛇柿」の役割は変若の御子の中に九郎を宿すための空の器を作ることであると考えられます。

「生の蛇柿」は見た目からして、蛇の血を多く含んでいます。

先程述べた通り、血を取り込むことは対象と一体化することを意味するため、生の蛇柿を食べることはすでに死んでいる蛇と一体化することを意味します。

結果として、「生の蛇柿」を食べたことで変若の御子の生命力が失われたと考えられます。

生の蛇柿
柿の様に赤く染まった、ぬしの白蛇の心包
ぬしとは、土地神
心包とは、神たる御魂を宿す臓である
姿かたちこそ柿によく似るが、
蛇柿は、赤く実った神の臓だ
神を食らうなど、
人の身にとっては毒となろう

なぜ、変若の御子の生命力を失わせる必要があるのかというと、「乾き蛇柿」で作った空の器の中に変若の御子の生命力が入らないようにするためであると考えられます。

乾き蛇柿
柿の様に赤く染まった、ぬしの白蛇の心包
その乾いたもの
ぬしとは、土地神
心包とは、神たる御魂を宿す臓である
姿かたちこそ柿によく似るが、
蛇柿は、赤く実った神の臓だ
落ち谷の衆は、ぬしの白蛇を崇め、
乾いた蛇柿を御神体として祀ったという

上テキストの「乾いた蛇柿を御神体として祀った」というテキストから、「乾き蛇柿」が神(=竜胤)の器として機能することが示唆されます。

以上の考察から、「生の蛇柿」の役割は変若の御子の生命力を失わせる(=冷たくする)ことであり、「乾き蛇柿」の役割は変若の御子の中に九郎を宿すための空の器を作ることであると考えられます。

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竜の帰郷エンドの解釈まとめ

最後に竜の帰郷エンドの一連の出来事の解釈をまとめます。

・変若の御子が2つの蛇柿を食べる
→変若の御子の中に九郎を宿すための空の器を作る

・九郎が桜竜の涙と氷涙を飲む
→桜竜と一体化した九郎が、変若の御子と一体化する

・狼と変若の御子が旅に出る
→桜竜と九郎を宿した変若の御子を、狼が護衛しながら、本来のあるべき場所である西に届ける

・狼が「御子の忍び」ではなく、「竜の忍び」と呼ばれている
→九郎が竜と一体化したため、御子の忍び=竜の忍びであるため

以上が竜の帰郷エンドの解釈だと考えられます。

おわりに

以上で竜の帰郷エンドに関する考察を終了いたします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

他の記事では、変若水の正体や、輿入れの際の中連縄人形の正体についても考察しています。

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