SEKIROにおいて最も重要な役割を果たしているアイテムの一つが「変若水」です。
なんでも、変若水を飲んだ人物は不死になるのだとか、、、、
そこでこの記事では、変若水の正体について考察していきます。
我々の世界における変若水とは、「飲めば若返ると言われている水」のことです。
変若水(wikipedia)
変若水(おちみず)とは、飲めば若返るといわれた水。月の不死信仰に関わる霊薬の一つ。人間の形態説明の一部としても形容される。西洋のエリクサー、中国の仙丹にあたるものである。
SEKIROの世界に変若水については、「SEKIRO外伝、死なず半兵衛」にて簡単な説明がなさせています。
道順
この葦名には、何処から流れ出るか、変若水というものの流れがあります
その変若水が濃く澱んだものは、変若の澱と呼ばれ…………
これを口にした者の中には、
獣の如き力と、斬られようが突かれようが、死に難い体を得るものがございます
それが…………赤目と呼ばれる者達
道順
師曰く、変若の澱を飲み、適応した蟲などが、特異なものになる事があり
例えばその蟲を食べた獣などを口にしたり
何らかの理由で寄生された者は、稀に「蟲憑き」になる
どれ程体が損壊しても、蟲が補修するため、限りなく不死に近い
要するに、SEKIROの世界における変若水とは変若の澱の源です。
そして、この変若の澱を口にした者は、「獣の如き力と、斬られようが突かれようが、死に難い体を得る(=赤目となる)」ことがわかります。
また、変若の澱を口にした蟲に寄生されると、蟲憑き(=限りなく不死に近い)となります。
では、どのような仕組みで、変若の澱を飲んだ者はとてつもない力を得ているでしょうか?
以下で詳細に考察していきます。
変若水の正体
結論を先に言うと、変若水の正体は竜胤の血が混じった水であると考えられます。
そして、変若水は神々から生命エネルギーを吸収する効果があると考えられます。
詳しく考察していきます。
小さい神々について
SEKIROの世界に「小さい神々」が存在していることは「神食み」のテキストに記載されています。
神食み
HPを完全に回復させる、いにしえの秘薬
全ての状態異常も、併せて回復する
葦名のひと際古い土地に生える草木には、名も無き小さな神々が寄っていたという
これは、そうした草木を練り上げ作られる
神々を食み、ありがたく戴く秘薬である
だが、神なる竜が根付いたのちは、そうした小さな神々は、姿を潜めてしまった…
この「小さい神々」は、我々の世界における神道をモチーフにしていると考えられます。
神道とは、自然と神が一体化しているという世界観を持ち、あらゆるものに宿った八百万の神々を信仰する日本古来からの宗教です。
神道(wikipedia)
日本の宗教。惟神道(かんながらのみち)ともいう。教典や具体的な教えはなく、開祖もいない。神話、八百万の神、自然や自然現象などにもとづくアニミズム的、祖霊崇拝的な民族宗教である。自然と神とは一体として認識され、神と人間を結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされた。
先程の「神食み」のテキストでは「小さい神々」が草木に宿っていることが示唆されていました。
さらに、「神ふぶき」のテキストでは「小さい神々」は水にも宿っていることが示唆されています。
神ふぶき
怨霊払いの加護を持った紙ふぶき
紙を抄くというが、源の水で行うそれは、神を掬うことでもある
神宿りの紙ふぶきは、浴びた者に加護をおろす、怨霊の類にも、攻撃が通じるようになる
以上の考察から、小さい神々とは神道における日本古来の八百万の神々を体現していると考えられます。
変若水の効果について
変若水の効果は神々から生命エネルギーを吸収することであると考えられます。
変若水の効果に関連するのが、水生村の村長に「京の水」を飲ませると、水生村の村長が源の宮の貴族と同じ姿に変化するイベントです。
これは、京の水が変若水であり、水生村の村長が小さい神々であると考えると納得できます。
京の水
杯に注がれた、宮の貴族が嗜む御神水
源の宮に輿入れした者たちは、
まずはこれを頂戴する
宮の貴族の嗜みぞ、
さあさ、ぐぐいと召し上がるが良い
上テキストにおいて、京の水が「御神水」と表現されていることからも、「京の水=竜胤の血が混じった水=変若水」である可能性が高いと考えられます。
また、水生村の人々が地面から湧いてくることを考えると、水生村の人々の正体はその土地に宿った日本古来の神々であると考えられます。
以上の考察から、水生村の村長は変若水によって生命エネルギーを吸収されてしまったため、宮の貴族と同じ見た目に変化したのだと考えられます。
また、宮の貴族が水生村の人々から生命エネルギーを吸収された存在であることは、水生村の人々が輿入れで源の宮に行くことや、最初に京の水(=変若水)を飲ませられること、宮の貴族が生命エネルギーを吸収する攻撃を仕掛けてくることなどと対応しています。
源の宮の姉妹
お若いお人、お気をつけください
宮の貴族たちは、若い精気に渇いています
吸いたくて、吸いたくて、仕方がないのです
以上の考察から、変若水の効果は神々から生命エネルギーを吸収することであると考えられます。
変若の澱について
変若の澱の正体は、生命エネルギーが吸収されて死んでしまった神の肉体(=死体)を多く含んだ水であると考えられます。
まず、「澱」という言葉ですが、「水底に沈んだカス、澱み、沈澱」という意味を持っています。
これは、「変若の澱=神の肉体(=死体)を多く含んだ水」という解釈とピッタリ合っています。
また、ここまでで解説した通り、変若水の効果は日本古来の神々の生命エネルギーを吸収することでした。
つまり、変若水に触れた小さい神々は生命エネルギーを取られて死んでしまい、変若水の中には神々の死体だけが残ると考えられます。
このメカニズムによって神の死体が濃縮された水が変若の澱であると考えられます。
赤目について
また、先程述べた通り、変若の澱を口にした者は一定の確率で赤目となります。
道順
この葦名には、何処から流れ出るか、変若水というものの流れがあります
その変若水が濃く澱んだものは、変若の澱と呼ばれ…………
これを口にした者の中には、
獣の如き力と、斬られようが突かれようが、死に難い体を得るものがございます
それが…………赤目と呼ばれる者達
赤目となった者は「斬られようが突かれようが、死に難い体を得る」とありますが、これは神の肉体(=変若の澱)を取り込んだためであると考えられます。
まず、神の肉体は永遠に朽ちない(=常しえ)であることが複数のテキストで示されています。
赤成り玉
赤目と成り果てた陣左衛門
その体内にあった、赤く丸い塊
食らうと赤目となり、
敵の攻撃に怯みづらくなる
ただし、回生の力は使えなくなる
この赤く丸い塊は、常しえに朽ちぬ
害はないが、効果が切れたのちも
きっと腹の中にずっと残るだろう
鯉の赤目玉
水生村の池の底に棲む鯉
その赤い目玉二つ
目だけ赤い鯉は、「ぬし」の成りそこないだ
鱗が足りぬ半端者。その身は錦に染まらぬが
目玉は赤く、常しえに朽ちぬ
これは捨て牢にいる施術師・道順が
変若水の施術のため求めているものだ
源の瑠璃
貴く青い源の瑠璃
最大まで強化された義手忍具を作成する筒薬
源の瑠璃には、常しえがある
瑠璃で鍛えたものは、
常しえに砕けることも、錆びることも無い
神なる竜の恩寵を受けるがゆえだ
鍛えた義手忍具は、人知を超えた賜わりもの
神なる竜の神器と称されよう
以上のテキストから、変若の澱を介して常しえである神の肉体を取り込んだことで「斬られようが突かれようが、死に難い体を得る」ことができた存在が赤目であると解釈できます。
また、赤目が火を恐れることも、時の流れに対しては常しえである肉体が焼かれて消滅しまうことを恐れるためであると解釈できます。
また、変若の澱を口にしても稀にしか赤目にはなれないことは、神の肉体を取り込むことが毒であるためであると解釈できます。
生の蛇柿
柿の様に赤く染まった、ぬしの白蛇の心包
ぬしとは、土地神
心包とは、神たる御魂を宿す臓である
姿かたちこそ柿によく似るが、
蛇柿は、赤く実った神の臓だ
神を食らうなど、
人の身にとっては毒となろう
本来は毒であるはずの神の肉体に適合できた人物だけが、赤目として驚異的な力を手に入れられるというわけです。
以上の考察から、赤目とは神の肉体を取り込んだ者であると考えられます。
変若水と竜胤
さて、ここまで変若水が神々の生命エネルギーを吸収する効果を持っていることを説明してきました。
ではなぜ、変若水は神々の生命エネルギーを吸収する効果を持っているのでしょうか?
その答えは、変若水とは竜胤(=桜竜)の血が混じった水であるためであると考えられます。
竜胤についてはこちらの記事で解説しています。
桜竜の正体についてはこちらの記事で解説しています。
そもそも竜胤の血の効果は、周りから生命エネルギーを吸収することでした。
これは、狼の周りで竜咳が発生していることと関連しています。
そして、変若水が竜胤に関連していることは、九郎とエマの以下の会話からわかります。
九郎
エマ殿、あれは一体…何なのです…
エマ
変若水…
そう呼ばれています
九郎
あれが、葦名の秘策だというのですか…
エマ
はい
飲んだものは、生半には死なぬ…
いえ、死ねぬようになります
そして、変若水もまた…
九郎
その源は竜胤にある、というのだな
エマ
はい
九郎
エマ殿、私には…
竜胤が貴いものだとは、とても思えぬ
以上の状況から、変若水とは竜胤の血が混じった水と解釈できます。
変若水が竜胤の血が混じった水であるならば、神々の生命エネルギーを吸収できるのは当然ですね。
実際、桜竜が水から生命エネルギーを回収しているような記述が「形代流し」のテキストで示唆されています。
形代流し
刀も柄も真白い短刀
HPを形代に変換する
休息することで、再び使用することができる
本来、この短刀は形代流しに使われる
白い刃で削り出した己の形代を、
源の水に流し、竜に奉る儀式だ
刻まれた銘は、「奉魂」
それがこの短刀の真の名
以上の状況をまとめると、桜竜は効率よく生命エネルギーを回収するために、源の水に自らの血を混ぜて葦名に流していたのではないでしょうか。
また、桜竜が葦名に住み着いた理由も、葦名には古い神々がたくさん存在しており、生命エネルギーを効率よく回収できるためであると考えられます。
金剛屑
白色に鈍く輝く金剛鉄の屑
強化義手忍具の作成の基本となる筒薬
深い段階の作成に、広く使われる
金剛屑は、葦名の中でも、
ひと際古い土地のみで採れる
古い土や岩は、神を寄せるとも言われる
その恩寵か、金剛鉄は実にしなやかで強い
戦いの残滓・桜竜
桜竜は、神なる竜
古く西から流れ着き、この地に至った
この葦名には、ひと際古い土地がある
古い土や岩が、そこに染み渡った水が、
神なる竜を根付かせたのだ
以上の考察から、変若水の正体は桜竜の血が混じった水で、神々の生命エネルギーを吸収する効果があると考えられます。
おわりに
以上で変若水に関する考察を終了したします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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