SEKIROの強ボスの一人が落ち谷に出現する獅子猿ですよね。
謎の刀が首に刺さっていたり、首がないのに動いたりと色々謎が多いボスです。
そこでこの記事では、首無し獅子猿の正体について考察していきます。
つがいについて
まずは獅子猿の基本情報についてまとめていきます。
獅子猿にはかつて、つがい(=パートナーの雌)がいたことが「戦いの記憶・首無し獅子猿」のテキストに記載されています。
戦いの記憶・首無し獅子猿
かつて獅子猿は、
つがいで古ねぐらに暮らしていた
だが己のみ蟲が憑き、片割れは先に死んだ
いまは、手向けの花も朽ちてもう無い
この「蟲が憑き」とは不死の状態を指しています。
そして「手向けの花」とは「馨し水蓮」のことを指しているのだと考えられます。
馨し水蓮
落ち谷の奥に咲いていた、青白い蓮の花
源の水が濃く溜まる場に咲くもの
雌の猿は、この花の香りを好む
ゆえに獅子猿は、大切に育てていた
己のつがいに供えるために
この花は源の香気を生む、香の材料の一つ
不死断ちのために、御子が求めるものだ
上テキストから、自分だけ不死になってしまったため、先に死んでしまったつがいに花を供えるために、獅子猿は落ち谷で花を育てていたというわけです。
なんだか切ない話ですね、、、
この切なさは「戦いの記憶・獅子猿」のテキストにも示されています。
戦いの記憶・獅子猿
身中蟲の宿るは、死なずの印といわれるが、
永く死なぬは、猿とて寂しかろう
獅子猿の残した咆哮は、
あるいは、何かを乞うものだったか…
葦名の底に出現する獅子猿の正体
さて、この獅子猿ですが、落ち谷で戦う最初は首がついていた獅子猿と、葦名の底で戦う最初から首がついていない獅子猿がいます。
結論を言うと、葦名の底で戦う獅子猿が本体で、落ち谷で戦う獅子猿は霊体であると考えられます。
根拠の1つ目は、落ち谷の獅子猿は倒した後に肉体が魂のように消滅するためです。
不死のはずの落ち谷の獅子猿の肉体が消滅したことの異常性は、「戦いの残滓・獅子猿」でも言及されています。
戦いの残滓・獅子猿
止めをさされた獅子猿は、だが咆哮を残した
身中蟲の宿るは、死なずの印といわれるが…
一方、葦名の底の獅子猿は、(不死斬りしない限りは)倒しても肉体が残ります。
これは落ち谷の獅子猿が霊体であったとすれば理解できます。
また、葦名の底では2頭の獅子猿と同時に戦闘を行いますが、新しく出てきた茶色の獅子猿はつがいの霊体であると考えられます。
理由は、茶色の獅子猿が出てくる場所付近に、あたらさまに巨大な猿のような遺骨があるためです。
これは、落ち谷で自らの霊体を作り出したように、獅子猿が霊体を作る力を持っていると考えると辻褄が合います。
以上の考察から、葦名の底の獅子猿が本体であり、落ち谷の獅子猿は霊体であったと解釈できます。
蟲憑きになった理由
獅子猿が蟲憑きになってしまった理由ですが、おそらく「ぬしの色鯉」を食べたためであると考えられます。
そもそも蟲憑きとは、(変若の澱を飲んだ)蟲を食べた生き物を口にすることで発生することが道順によって語られています。
道順
師曰く、変若の澱を飲み、適応した蟲などが、特異なものになる事があり
例えばその蟲を食べた獣などを口にしたり
何らかの理由で寄生された者は、稀に「蟲憑き」になる
どれ程体が損壊しても、蟲が補修するため、限りなく不死に近い
蟲憑きとムカデについてはこちらの記事で解説しています。
変若水や変若の澱についてはこちらの記事で解説しています。
つまり、獅子猿も蟲を食べた生き物を口にしたことで蟲憑きになったのだと考えられます。
そして、獅子猿が食べた生き物が「ぬしの色鯉」であることは、獅子猿が出現するエリアに「ぬしの色鯉」の死体が流れ着くことから推察されます。
筆者も初見時は「なんで獅子猿がいた場所にぬしの色鯉の死体が来るんだ??」と思いましたが、これは獅子猿がぬしの色鯉の死体を食べたことを暗示していると考えると納得できます。
実際、色鯉には虫が寄生することが、源の宮の池底の鯉の死体に蟲がたかっていることや、まこと貴い餌(=蟲に寄生された餌)でぬしの色鯉が死ぬことなどから推察されます。
まこと貴い餌
これは、まこと貴き餌なり
毛など生えていれば、なおさら貴い
生きた心地もせぬほどに
平田屋敷の壺の貴人は、ぬしになりたい
仙郷の、ぬしの鯉に与えてたもれ
さすれば、我は鯉となり…
お主に、秘なる宝を授けようぞ…
以上の考察から、獅子猿が蟲憑きになった理由は、ぬしの色鯉の死体を食べたためであると考えられます。
首に刺さっている刀の正体
獅子猿の首に刺さっている刀ですが、これは川蝉という人物のものであると筆者は予想しています。
なぜなら、獅子猿の腹の中から川蝉のものと思われる指が出てくるためです。
ほそ指(細指)
年若い女の、ほそ指
忍義手に仕込めば、義手忍具となる
獅子猿の腹の中にあったもので
溶けかけている
指笛という、忍びの術である
獣の類を狂わせる術だ
それを用いたものは、指に穴を開けている
このほそ指には、その跡がうかがえる
泣き虫の指輪
ほそ指に似合う、古い指輪
指輪の裏には「川蝉」と彫られている
「指笛」の強化義手忍具の作成に使える
この指輪をはめて、指笛を吹くと
悲しげな音が、響き渡る
泣き声は、寂しく美しい
燃える怨嗟を、ほんの一時、忘れるほどに
川蝉とは、かつて仏師殿と一緒に落ち谷で修行していた女性です。
仏師
猿どもの棲む谷…
そこで、忍び修行をしておった
狼
…一人か?
仏師
…いや、二人で、じゃな
儂らは、はぐれ忍び…
まともな師は、もはや、おらなんだ
ゆえに、落ちれば死ぬる谷で
ただひたすらに、駆け、飛び、刃を交える
そのような修行を重ねた
…じき、猿と変わらぬほどには、動けるようになったわ
…修行に飽きると、儂はこの猿酒を飲んだ
そして、あやつの、泣き虫の指笛を聞いた
狼
泣き虫…?
仏師
変わった指輪があってな…
それをはめて、指笛を吹くと…
谷に…、悲しげな音が、響き渡るのじゃ
不思議と儂は、その音が好きでな
よう、吹いてもらったものよ
仏師
お前さん、そいつを…
その指を、どこで手に入れた
狼
落ち谷の獅子猿が、食らっていた
仏師
…そうか
猿の腹の中とはな
そいつを、貸しな
お前さんの義手忍具に、仕込んでやろう
以上の話の流れから、川蝉はおそらく獅子猿に食われてしまったのだと考えられます。
そして、仏師と川蝉は「刃を交えた」と記載されていることから、川蝉は刀を使うことがわかります。
以上の状況から、獅子猿の首に刺さっている刀は、川蝉が獅子猿と戦ったときに刺したものではないかと推察されます。
おわりに
以上で獅子猿に関する考察を終了いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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