SEKIROの最重要ワードの一つが「竜胤(りゅういん)」です。
主人公である狼が不死となったのは御子様の竜胤の力でしたが、葦名の生命の歪みはこの竜胤に由来するのだとか、、、、
そこでこの記事では竜胤と御子様(=九郎)、狼の正体について考察していきます。
「竜胤(りゅういん)」という漢字
まず、「竜胤」という漢字について考察していきます。
「胤」という漢字はかなり珍しく、こちらのサイトによると漢字検定準一級レベルとのことです。
筆者はSEKIROをプレイしたことで、「胤」という漢字を初めて知りました。
そして、「胤」という漢字の意味ですが、こちらのサイトによると「血筋、子孫」という意味だそうです。
したがって、竜胤とは「竜の血筋、竜の子孫」といった意味があるのだと考えられます。
桜竜と御子様の関係
SEKIROの世界で竜胤と呼ばれている存在が桜竜と御子様です。
ここで、桜竜と御子様の関係について考察していきます。
結論を先に言うと、桜竜は神々の生命を吸収する力があり、御子様は桜竜の生命エネルギーを使用することができるのだと考えられます。
桜竜について
まず、桜竜が神々の生命エネルギーを吸収する力があることは、変若水の効果からわかります。
変若水についてはこちらの記事で詳しくまとめています。
桜竜の正体についてはこちらの記事で解説しています。
簡単に言うと、変若水とは桜竜の血が混じった水であると考えられ、神々の生命エネルギーを吸収する効果があります。
そして、変若水によって生命エネルギーを吸収された神の死体が濃縮されたものが「変若の澱」であると考えられます。
変若の澱は神の肉体であるため、口にしたものに「獣の如き力と、斬られようが突かれようが、死に難い体」を与えるのだと解釈できます。
道順
この葦名には、何処から流れ出るか、変若水というものの流れがあります
その変若水が濃く澱んだものは、変若の澱と呼ばれ…………
これを口にした者の中には、
獣の如き力と、斬られようが突かれようが、死に難い体を得るものがございます
それが…………赤目と呼ばれる者達
以上の解釈から、桜竜は神々から生命エネルギーを吸収する力があると考えられます。
御子様(九郎)について
一方、御子様が桜竜の力を使えることは、狼が回生した時のエフェクトで示唆されています。
狼が回生した際には桜が舞うエフェクトが出ますが、これは御子様が桜竜の生命エネルギーを狼に与えていることを示唆しているのだと解釈できます。
また、この解釈ですと「不死の契り」についても理解できます。
御子様が狼に桜竜の生命エネルギーを与える際には、道標が必要であることが「快復の御守り」のテキストでしさされています。
快復の御守り
エマが作った竜咳快復の御守り
これを持って、
鬼仏に「竜胤の雫」を供え祈れば、
生の力を、それを奪った者たちに返せる
そして、竜咳に罹った者たちを快復させるのだ
御守りの中には、竜咳患者の血から
エマが精製した血石が納められている
この血石は、治すべき者たちを定める道標だ
上テキストから、生の力を受け渡すための道標が「血」であることがわかります。
つまり、「不死の契り」とは御子様が対象の血を取り込むことであると解釈できます。
狼と御子様が不死の契りを結んだ際の、「狼よ、我が血と共に生きてくれ」というセリフも、御子様が狼の血を取り込んだと解釈すれば理解できます。
また、御子様に対して弦一郎が「不死の契り」を迫る場面では、血が出ないはずの御子様に弦一郎が刀を渡していますが、これは御子様の血ではなく弦一郎の血が必要であったためであると解釈できます。
また不死の契りがならざる時に残る「桜雫」も、御子様と対象者の血が混ざらなかったことで生まれた(御子様が吐き出した?)と解釈できます。
桜雫
不死の契約成らざる時に、
引き換えに残ると伝わる桜色の結晶
回生の力を、一回分成長させる効果がある
不死の契りをやり直し
新たな回生の力を授かるには、
竜胤の御子の助けが必要だろう
ちなみに、 桜の花は人の血を反映しています。
桜の花が人の血を反映している根拠は以下の3点です。
1:我々の世界でも、桜は死者の血を吸ったことでピンク色の花を咲かすと考えられていたこと(参考サイト)。
2:人返りエンドで御子様に常桜の花(=人の血)を飲ませること。
3:狼が失血死した時に桜(=人の血)のエフェクトと共に回生すること。
したがって、桜雫は不死の契約が成立しなかった時(=御子様と対象の血が混ざらなかった時)に人の血(=桜)を御子様が吐き出したものであると解釈できます。
長くなりましたが以上の考察から、御子様は桜竜の生命エネルギーを使用することができるのだと考えられます。
狼について
ここまでの考察で、桜竜と御子様が竜胤(=竜の血筋、竜の子孫)であることは説明しました。
一方、狼は、御子様(竜胤)と不死の契りを結んだだけで、自身は竜胤ではありません。
実際、変若の御子も、狼を「竜胤に連なる我ら」と表現しています。
変若の御子
そうです
竜胤は… 故郷を放たれ、この日本(ひのもと)に流れ着いたもの
あるべきではない場所に、あるべきではないものがある
ゆえに、我らのような歪んだ命を生み出そうとする者が
絶えぬのでしょう
竜胤や、竜胤に連なる我らは… きっと、帰るべきなのです
西へ…。神なる竜の故郷へと…
ただ、如何にしてたどり着くか…
それが、まだ分かりません
しかし、不死の契りを結んだ狼は、桜竜とは異なり人々から生命エネルギーを吸収する力を身につけています。
狼が人々から生命エネルギーを吸収する力があることは、狼が蘇るたびに「竜咳」が発生することからわかります。
エマ
竜咳の源…それは、血の淀みです
狼
何故、血が淀む
エマ
貴方は、たとえ回生の力が尽きていたとしても…
いづれ、蘇っています
代わりの力を…どこからか、奪っているのでしょう
狼
竜咳になった者から、か
エマ
おそらくは
竜咳になった者は…
人が、人として、生きるための
当たり前の力を、奪われています
故に血が淀むのでしょう
狼が人から生命エネルギーを吸収できる理由は、変若の御子が先程述べていたように、「あるべきではない場所に、あるべきではないものがある」ためであると考えられます。
桜竜が日本に来たことで、日本古来の神々の生命エネルギーが桜竜に吸収され始めたように、竜胤の力を受けた狼が登場したことで、人々の生命エネルギーが狼に吸収されるようになったと解釈できます。
このような「竜胤」が生み出す生命の歪みこそ、御子様の「人の、人としての生き方を歪めてしまう」というセリフの意図であると考えられます。
御子様
不死の契りも、変若水も、竜咳も、みなそうだ
人の、人としての生き方を歪めてしまう
以上の考察から、桜竜が日本にやってきたことで生まれた歪みとして、狼という本来の竜胤とは異なる力を持った存在が生まれてしまったのだと考えられます。
おわりに
以上で竜胤、九郎、狼の正体に関する考察を終了したします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
他の記事では、竜の帰郷エンドの解説や源の宮に関する考察もしています。
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