SEKIROの世界の中でいまだに謎に包まれている存在が「ぬしの色鯉」です。
餌付けできると思えばまこと貴い餌で殺害できたり、死体が落ち谷にあったり、、、、一体コイツは何者なのでしょうか?
そこでこの記事ではぬしの色鯉の正体について考察していきます。
ぬしの色鯉の正体
ぬしの色鯉の正体は、次期桜竜の第一候補であると考えられます。
要するに、ぬしの色鯉は竜になることを目指しています。
ぬしの色鯉は竜になることを目指していることは、鯉が竜になるという故事(=鯉の滝登り)から推察されます。
鯉の滝登り(引用元)
黄河の急流にある竜門という滝を登ろうと、多くの魚が試みたが、わずかな魚だけが登り、竜に化すことができたという言い伝えから、その魚を鯉と想定して言ったもの。
そして、SEKIROの世界における「鯉」が「鯉の滝登り」をモチーフにしていることは、「登り鯉」のテキストで示唆されています。
登り鯉
葦名流は、源の水の流れと縁深い
襲い来る刃を、見事に弾き返す様
それを滝を登る鯉に例えた
さらに、桜竜とぬしの色鯉は、小さな神々の生命エネルギーを吸収しているという点で特徴が一致しています。
小さな神々とは、あらゆるものに宿っているとされる日本古来の神々のことを指しており、桜竜が来たことで身を潜めるようになったことが「神食み」のテキストに記載されています。
神道(wikipedia)
日本の宗教。惟神道(かんながらのみち)ともいう。教典や具体的な教えはなく、開祖もいない。神話、八百万の神、自然や自然現象などにもとづくアニミズム的、祖霊崇拝的な民族宗教である。自然と神とは一体として認識され、神と人間を結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされた。
神食み
HPを完全に回復させる、いにしえの秘薬
全ての状態異常も、併せて回復する
葦名のひと際古い土地に生える草木には、名も無き小さな神々が寄っていたという
これは、そうした草木を練り上げ作られる
神々を食み、ありがたく戴く秘薬である
だが、神なる竜が根付いたのちは、そうした小さな神々は、姿を潜めてしまった…
上テキストから、桜竜と小さな神々の対立構造が示唆されます。
実際、桜竜が小さな神々の生命エネルギーを吸収していることは、例えば水生村の神主が京の水(=変若水=桜竜の血が混ざった水)を飲むと宮の貴族(=小さな神々が生命力を奪われた存在)に変化することからわかります。
そして、ぬしの色鯉が小さい神々の生命エネルギーを吸収していることは「鯉の赤目玉」のテキストを元に推察されます。
鯉の赤目玉
水生村の池の底に棲む鯉
その赤い目玉二つ
目だけ赤い鯉は、「ぬし」の成りそこないだ
鱗が足りぬ半端者。その身は錦に染まらぬが
目玉は赤く、常しえに朽ちぬ
これは捨て牢にいる施術師・道順が
変若水の施術のため求めているものだ
上テキストから、「ぬし」の成りそこ内が赤目の鯉であることがわかります。
そして、赤目になるためには小さい神々の死体(=変若の澱)を多く取り込む必要があると考えられます。
よって、ぬしの色鯉になる過程で小さい神々の生命エネルギーを吸収(=神の死体を体に蓄積)する必要があると考えられます。
したがって、ぬしの色鯉は桜竜と同様に小さい神々の生命エネルギーを吸収する存在であると考えられます。
以上の状況を総合的に考慮すると、ぬしの色鯉の正体は桜竜になることを目標にしている存在であると考えられます。
また、源の宮ではぬしの色鯉が桜竜のいる方角の神社に体当たりしていますが、これはぬしの色鯉が桜竜になろうとしていることを反映しているのかもしれません。
ぬしの色鯉になる方法
ぬしの色鯉になるためには、「宝鯉の鱗を集めること」と「ぬしの色鯉を殺すこと」の2つが必要であると考えられます。
ぬしの色鯉になるために「宝鯉の鱗」を集める必要があることは、春長の以下のセリフからわかります。
春長
お主、鱗を持っておいでかい…?
もし持てば、存分に褒美をとらそうぞ…
春長
…お主よ
我は鯉になりたいのじゃ
永い時を、育ちと共にある、大きな鯉
…老いぼれぬ鯉にのう…
さて、この宝鯉の鱗ですが神の肉体の一部であると考えられます。
神の肉体の集合体と考えられる「赤成り玉」の色は赤であり、宝鯉の鱗の色も赤でした。
赤成り玉
赤目と成り果てた陣左衛門
その体内にあった、赤く丸い塊
食らうと赤目となり、
敵の攻撃に怯みづらくなる
ただし、回生の力は使えなくなる
この赤く丸い塊は、常しえに朽ちぬ
害はないが、効果が切れたのちも
きっと腹の中にずっと残るだろう
したがって、宝鯉の鱗は神の肉体であると考えられ、それを取り込むことで神(≒ ぬしの色鯉)に近づくことができるのだと考えられます。
また、ぬしの色鯉になるためにはぬしの色鯉を殺す必要があることは、「まこと貴い餌」でぬしの色鯉を殺害した後に春長や維盛が鯉に変化することからわかります。
そしてこれは、SEKIROの世界観における「神」が交代制であることと対応しています。
SEKIROの世界観における「神」が交代制であることは、水生村の神主の「末座に加ていただける」というセリフから推察されます。
水生村の神主
おおぉ…どうかどうか…末座にお加えください
狼
(京の水を渡す)
水生村の神主
おおおぉぉ…これは貴き…香りなり…
スースー…
ようようお認めいただける…末座に加ていただける…
また、ぬしの色鯉を殺害した時に手に入る「ぬしの白髭」のテキストの「大願の成就の歓喜」は、ぬしの色鯉が死んだこと(=大願の成就)でその座が空いたこと(=歓喜)を表していると解釈できます。
ぬしの白髭
ぬしの色鯉の貴く白い髭
ぬしは常えしなれど、死ねば髭が抜ける
その髭が抜ける音を、
心待ちにする者もいるだろう
ある者には、役目の成就の安堵であり、
ある者には、大願の成就の歓喜なのだ。
以上の考察から、ぬしの色鯉になるためには「宝鯉の鱗を集めて自らの肉体を神に近づけること」と「神の座を空けるためにぬしの色鯉を殺すこと」の2つが必要であると考えられます。
ぬしの色鯉が死んだ理由
先ほど、ぬしの色鯉を殺害するためには「まこと貴い餌」を与える必要があると述べました。
ではなぜ「まこと貴い餌」でぬしの色鯉は死んでしまうのでしょうか?
結論を言うと、まこと貴い餌に含まれていた蟲に寄生されたことで死んでしまったのだと考えられます。
まず、まこと貴い餌に蟲が含まれていることは、以下の「毛など生えていれば、なおさら貴い」というテキストで暗示されています。
まこと貴い餌
これは、まこと貴き餌なり
毛など生えていれば、なおさら貴い
生きた心地もせぬほどに
平田屋敷の壺の貴人は、ぬしになりたい
仙郷の、ぬしの鯉に与えてたもれ
さすれば、我は鯉となり…
お主に、秘なる宝を授けようぞ…
そして、蟲によってぬしの色鯉が死んでしまうことは、源の宮の底に蟲に食われて死んだと思われる鯉の死体が転がっていることから推察されます。
また、この解釈だと獅子猿が蟲憑きになった理由や、破戒僧(=八尾比丘尼)の名前の由来など様々な伏線を回収することができます。
簡単に言うと、蟲に寄生された鯉を獅子猿や破戒僧が食べたことで彼らが蟲憑きになってしまったと考えられます。
以上の考察から、まこと貴い餌でぬしの色鯉が死んだのは蟲が原因であると考えられます。
おわりに
以上でぬしの色鯉の正体に関する考察を終了いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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