呪術廻戦の作中で唯一五条悟に勝利したことのある人物が「伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)」です。
呪術廻戦11巻で復活を果たすのですが、「よかったな」という意味深な発言を残して自害します。
そこでこの記事では、伏黒甚爾の強さや復活/自害の理由、「よかったな」発言の意図などを解説していきます。
伏黒甚爾の基本情報
まずは伏黒甚爾の基本情報についてまとめていきます。
身長、年齢、誕生日、声優など
伏黒甚爾の基本情報は以下の通りです。
身長 | 約188 cm |
年齢 | 約30歳 |
誕生日 | 12/30 |
術式 | なし |
能力 | 天与呪縛のフィジカルギフテッド |
趣味 | ギャンブル |
性格 | ろくでなし、キレ者 |
好きな食べ物 | 肉とモツ |
嫌いな食べ物 | 酒(全く酔わないため) |
ストレス | 禪院家 |
声優 | 子安武人(こやす たけひと) |
身長については公式の発表がないため、ネット上の推定値を記載しました。
188センチとなるとかなりの高身長です。
だからこそ重い呪具を軽々と扱えるわけですね、、、、
年齢については、呪術廻戦9巻で、20歳くらいの大人甚爾が6歳くらいの子供五条を見に行っていることから、甚爾と五条の歳の差が約15歳であると推察されます。
従って、高校生五条(16歳)と戦った甚爾は約30歳位であると推察されます。
声優は子安武人さんです。
子安武人さんが演じたキャラクターとしては、進撃の巨人のジーク、ジョジョのDIO、ワンピースの青キジなどが挙げられます。
その他のプロフィールについては、以下の公式ファンブックから引用しました。
気になるのが、酒に全く酔わないと書いてある点です。
酒に全く酔わないという体質も、後述しているフィジカルギフテッドに関連しているのかもしれません。
また、甚爾が酒に強いという設定は、同じく最強格の五条が酒に弱いという設定の対になっている可能性が考えられます。
また、趣味がギャンブルとありますが、おそらくだいぶ弱いと思われます。
実際、お金がないため女の人の元を転々としていたらしいですし、原作でも競馬で負けている場面が描かれています。
伏黒恵のパパ
伏黒甚爾は伏黒恵のパパです。
なので、ネット上では「パパ黒」とも呼ばれています。
さて、伏黒恵とパパ黒の関係ですが、あまりよろしくはないようです。
67話で、「恵は元気か?」と聞かれたパパ黒は、「……誰だっけ」と返答しています。
この「……誰だっけ」はすっとぼけではなく本当に忘れていたようで、73話で夏油を倒した後に「その恵まれたお前らが・・・」と話している最中に、「あー恵って、そうだったそうだった、俺が名付けたんだった」と思い出しています。
ちなみに、パパ黒が恵を手放した理由は、恵を禪院家に売ってお金をもらうためでした。
禪院家は才能(=術式)が大好きであるため、禪院家相伝の術式である「十種影法術」を持った伏黒恵を喉から手が出るほど欲しがっていたようです。
作中では、禪院直毘人がパパ黒に「相伝なら10やろう」と言っていることから、おそらく恵は10億円で禅院家に売られる予定だったと考えられます。
パパ黒とんでもないやつですね、、、あの五条悟ですら「僕が引くレベルのろくでなし」と述べています。
ですが、パパ黒は恵に対して完全に愛情がなかったわけではありません。
これについては後述しています。
名前の由来
甚爾の名前の由来は公式ファンブックで「漢字の意味のまんま」と記載されています。
「甚爾」の漢字の意味は以下の通りです。
甚:程度がはなはだしい状態
爾:前の漢字を断定する
従って、「甚爾」の漢字の意味は「程度が甚だしい」という感じだと思われます。
おそらく、甚爾が甚だしく強いことを反映しているのだと思われます。
苗字は伏黒?禪院?
作中で伏黒甚爾は、「禪院甚爾」と呼ばれることもあります。
これは元々禪院家だった甚爾が、伏黒家に婿入りしたことが原因です。
甚爾は術式を持っていなかったため、術式至上主義の禪院家ではかなりひどい扱いを受けていたようです。
先ほど紹介したファンブックのプロフィールでも、「ストレス:禪院家」と記載されています。
以上の状況から、禪院家が嫌になったため、伏黒家に婿入りしたのだと考えられます。
だからこそ、甚爾は「伏黒」と「禪院」という2つの苗字を持っていたというわけです。
嫁はいるのか?
甚爾は伏黒家に婿入りしているので、かつては嫁(=恵のママ)がいました。
しかし、恵のママは恵が生まれて間も無く亡くなってしまったため、現在は女の人のところ転々としているそうです。
公式ファンブックによると、禪院家でグレていた甚爾も、恵のママのおかげで丸くなっていたそうです。
甚爾にとって、いかに恵のママが重要であったかがうかがえます。
そんな、重要な人物が亡くなってしまったことで、五条悟の言う「僕が引くレベルのろくでなし」となってしまったわけです。
ちなみに恵のママと思われる人物は、甚爾の回想の中で一瞬だけ登場しています。
天与呪縛によるフィジカルギフテッド
伏黒甚爾の能力は天与呪縛によるフィジカルギフテッドです。
天与呪縛とは、生まれながらにして何かを失っていることで他に何か強大な力を得る縛りのことです。
まさに、天から与えられた呪いの縛り(=天与呪縛)です。
例えば、メカ丸は肉体の自由が効かない代わりに強大な呪力を扱うことができ、逆に禪院真希は呪力がほとんどゼロとなる代わりに常人離れした身体能力(=フィジカルギフテッド)を持っています。
そして、伏黒甚爾の天与呪縛は、呪力ゼロである代わりに圧倒的な身体能力を得るフィジカルギフテッドです。
フィジカルギフテッドという点では禪院真希と同様ですが、注目すべきは伏黒甚爾の呪力は完全なゼロである点です。
この「呪力が完全なゼロ」という縛りの強さに伴って、伏黒甚爾のフィジカルギフテッドは禪院真希のそれをはるかに凌駕しています。
(呪術廻戦198話で真希は甚爾に追いついたと述べられていましたが、ダーティーファイトと経験値の差を考えると、個人的にはやはり甚爾の方が上な気がします。)
例えば、真希はメガネをかけなければ呪霊を感知できませんが、甚爾は五感によって呪霊を感知することができます。
また、伏黒甚爾は身体能力だけでかつて五条悟に勝利しています。
現時点では、作中で五条悟に勝利したことのある人物は伏黒甚爾だけです。
以上が伏黒甚爾の能力です。
呪霊を体内に
伏黒甚爾はものを格納する能力を持った呪霊を飼っています。
使用する武器はこの呪霊に格納しているというわけです。
さらに、この呪霊に呪霊自身を格納することで、下の図のように呪霊のサイズを小さくして、自分の体内に取り込んでいます。
伏黒甚爾曰く、透明人間は体内まで透明であるため、伏黒甚爾の体内に取り込まれた呪霊の呪力もゼロに(=感知されなく)なるとのことです。
だからこそ、呪力を感知するあらゆる結界を素通りできるというわけです。
死因は虚式「茈」
伏黒甚爾の直接の死因は、覚醒した五条悟の虚式「茈」をくらったことです。
しかし、間接的な死因は自らの「自尊心」を捨てきれなかったことであることが描かれています。
伏黒甚爾はものすごい実力があるにも関わらず、呪力を持たないという理由で禪院家で虐げられてきたため、かつて自尊心を捨てたのだと考えられます。
しかし、覚醒して呪術師最強となった五条悟を目の前にして、自分を肯定したいという自尊心に駆られてしまい、結果として命を落としてしまったというわけです。
また、五条悟に「最期に言い残すことはあるか?」と聞かれた際には、「2、3年もしたら俺の子供が禪院家に売られる、好きにしろ」と、伏黒恵を託すような台詞を残しています。
ここまではサイコパスのように描かれていた伏黒甚爾ですが、その最期は彼の捨てきれなかった人間性が垣間見えるものでした。
なぜ復活したのか?
伏黒甚爾が復活した理由は、オガミ婆の術式である「降霊術」によって呼び出されたためです。
オガミ婆の降霊術は、死者の「魂の情報」と「肉体の情報」を下すことができます。
しかし、「魂の情報」を下ろしてしまうと「不測の事態」が起きる可能性があるため、オガミ婆は「魂の情報」は下さないことにしているそうです。
しかし、先述の通り伏黒甚爾の肉体は特別(フィジカルギフテッド)であったため、肉体が霊媒となった人物の魂を打ち負かし、伏黒甚爾は自我を持った状態で復活したというわけです。
ちなみに、肉体に魂が宿っているという話は偽夏油が91話で触れています。
したがって、降霊術で呼び出された伏黒甚爾の肉体には伏黒甚爾の魂も残っていたのだと考えられます。
だからこそ、伏黒甚爾は肉体だけの降霊術にも関わらず、自我を持った状態で復活できたのだと考えられます。
以上が、伏黒甚爾が復活した理由です。
なぜ「よかったな」と自害したのか?
さて、先ほどのオガミ婆の降霊術ですが、本来は霊媒となった人物の呪力がなくなった時点で降霊術は終了します。
しかし、伏黒甚爾は呪力を消費せずに戦うことができるため、オガミ婆の降霊術は終了の契機を失い、伏黒甚爾は本能のままに戦い続ける殺戮人形となってしまいました。
殺戮人形と化した伏黒甚爾の強さはケタ違いであり、禪院直毘人、七海、真希、伏黒恵の4人がかりでもどうしようもなかった陀艮を瞬殺しています。
しかし、殺戮人形と化した伏黒甚爾は、伏黒恵と戦う過程で記憶を取り戻し、最期は「よかったな」という台詞と共に自害しました。
この「よかったな」の意図は「禪院家に売られなくてよかったな」という意味だと考えられます。
実際、英語版呪術廻戦では、このセリフは “Good for you (=お前にとってよかったな)” と英訳されています。
また、先ほど説明した通り、伏黒甚爾は死ぬ間際に「2、3年もしたら俺の子供が禪院家に売られる、好きにしろ」と、五条悟に対して伏黒恵を託すような台詞を残していました。
これは、禪院家がロクでもない家系であり、恵はそんなところにいるべきではないと伏黒甚爾が考えているためであると思われます。
また、自害する直前には「恵をお願いね」という恵のママのものと思われる台詞を回想しています。
この回想からも、恵が禪院家に売られることを、甚爾が憂慮していたことがうかがえます。
以上の考察から、伏黒甚爾が最期に「よかったな」と言い残して自害した理由は、自我を取り戻した甚爾が伏黒恵の身を案じたためであると考えられます。
名言
・五条悟は俺が殺した
・恵まれたオマエらが 呪術も使えねぇ俺みたいな猿に負けたってこと
・自分を肯定するために いつもの自分を曲げちまった。その時点で負けていた、自尊心は捨てたろ
・自分も他人も尊ぶことない、そういう生き方を選んだんだろうが
・俺にとってはゴミ溜めでも術式(さいのう)があれば幾分ましだろう、もうどうでもいい、どうでもいい
・よかったな
おわりに
以上で、 伏黒甚爾の強さや復活/自害の理由の考察を終了いたします。
また、各キャラの解説&考察は以下です。
<東京校>
虎杖悠仁、伏黒恵、釘崎野薔薇、乙骨憂太、禪院真希、パンダ、狗巻棘、秤金次、夏油傑、五条悟、七海建人、日下部篤也、冥冥、九十九由基、家入硝子
<その他の味方>
来栖華(天使)、伏黒津美紀、天元、脹相、禪院直毘人
<死滅回游泳者>
万、鹿紫雲一、日車寛見、高羽史彦、大道鋼、三代六十四
ぜひご一読下さい。