エルデンリングDLCで登場する追憶ボスの一体が「泥濘の騎士」です。
しかし、泥濘の騎士に関する解説はほとんどなされていません。
この記事では、泥濘の騎士の正体について考察していきます。
関連テキスト
泥濘の騎士は関連テキストが少ないので考察が難しいです。
そこで、まず関連テキストをまとめました。
泥濘の追憶
泥濘は、穢れた死肉のなれの果てであり
トリーナの蜜により、永遠の安眠を得た
故に、泥濘は彼女の騎士となった
凝固した泥濘
石棺から漏れ出る青黒い泥濘
そのどろりと固まったもの
アイテム製作に用いる素材のひとつ
石棺が流れ着く地の、地下で手に入る
泥濘とは、石棺に納められた
穢れた命のなれの果てであるという
泥濘の大鉈
泥濘の騎士が振るった得物
人骨をアーチ状にずらりと連ね
泥濘を固めて刃とした大鉈
神秘により、その威力は高まる
泥濘の渦
泥濘の騎士が用いた魔術
多数の泥濘を、渦を巻くように放つ
それらは、着弾から少しの間を置いて爆発し
周囲を霊炎で薙ぎ払う
古い時代、死は霊炎に焼かれた
穢れた死肉、そのなれの果てであろうとも
かつて、死は等しくあったのだろう
これらの関連テキストを元に、泥濘の騎士の正体を考えてみたいと思います。
泥濘とは?
まずは「泥濘」という言葉を考察してみます。
「泥濘」は「でいねい」または「ぬかるみ」と読み、意味は「ドロドロした状態」とのことです。
つまり、「泥濘の騎士」は「ドロドロした状態の騎士」という意味となります。
では、何がドロドロしているのかという話ですが、その答えは「泥濘は、穢れた死肉のなれの果て」というデキストから、「穢れた死肉がドロドロしている」と解釈できます。
泥濘の追憶
泥濘は、穢れた死肉のなれの果てであり
トリーナの蜜により、永遠の安眠を得た
故に、泥濘は彼女の騎士となった
穢れた死肉とは?
続いて考えなければならないのは、「穢れた死肉とは何か」という点です。
そこで、本編で「穢れた」というワードに関連するテキストを探してみました。
すると、「穢れた」というワードの解釈には、以下の2つの仮説が考えられました。
仮説1:死に生きる者
まず、「穢れた」というワードは、死に生きる者関連のテキストでみられます。
死王子の業瘡
デミゴッド最初の死者たる黄金の貴公子の
死にきれず、穢れきった死に顔であるという
死を正す聖律
黄金律原理主義者たちの祈祷のひとつ
死に生きる者たちの狩人が用いるもの
聖律の似姿を生じ、周囲に聖ダメージを与える
特に、死に生きる者たちに効果が高く
倒した場合は、それらが復活することはない
狩人たちは、穢れた理の根絶者である
すべては、黄金律の完全のために
死に触れた地下墓の霊体
…なんということだ。我らの死地が穢れている
おぞましい。黄金樹に還るを拒み、死んでなお生きるなどと
黄金律においては、肉体と魂が保存・循環するため、魂が死んだ「死に生きる者」は「穢れ」として扱われています。
この視点で考えると、「穢れた死肉=死に生きる者の肉体」であると解釈できます。
仮説2:糞喰い
また、「穢れた」というワードは糞喰いのイベントでも多く登場します。
忌み呪いの修復ルーン
それは、子も、孫も、その先も
永遠に続く忌み呪いの病巣である
律のすべてが穢れてしまえば
すべての穢れは、穢れでなくなる
すべての呪いに祝福あれ
糞喰いの傀儡
数え切れぬ人を殺し、穢し
その死体に苗床の呪いを育てた男の霊体
背骨の大剣を振るい、呪詛を咆哮する
糞食いは、己が最後に絶望した
ひたすらに醜く、忌まわしいこの傀儡は
だがその絶望故に、愛でる価値がある。
糞喰い
…俺はたくさん殺した、俺はたくさん穢した
数百の呪いが生まれ、数千の呪われた子が生まれ、数万の呪われた孫が生まれ
そこから幾人の俺が生まれ、永遠に殺し、穢し、祝福し続ける
上記テキストから、糞喰いがたくさんの生命を穢していたことがわかります。
気になるのは、糞喰いに穢されるとどうなるのかという点です。
以下のテキストから、「糞喰いに穢された生命は黄金樹に還れなくなる」と考えられます。
苗床の呪い
糞食いが殺し、穢した死体に生じる呪い
忌み角に侵された生乾きの宿痾
糞食いは、死体を苗床に呪いを育てる
そうなれば、もはや死は黄金樹に還ることなく
永遠に呪われたままとなるだろう
狭間の地で、最も忌まわしいもののひとつである
モーン城の幻影
…ああ、助けてくれ。俺は貴族なんだ
あいつらに、混ざりものどもに喰われたら、俺も永遠に…
ああ、それだけは嫌だ、穢さないでくれ!
ここで、ミケラがモーグを使ってラダーンの魂を呼び寄せたことからわかるように、角は「角降ろし」によって魂を呼び寄せる効果があると推察されます。
角の戦士の曲剣
塔の守護者たる、角の戦士の曲剣
その刀身には、混じり角が象られ
角降ろしの触媒ともなる
だからこそ、「忌み角に侵された生乾きの宿痾」を死体に埋め込む(=穢す)ことで、魂を黄金樹に還すことなく、穢した死体に縛り付けることができるのだと推察されます。
この観点から考えると、泥濘の騎士は不死の肉体に魂が癒着してしまった存在であると解釈できます。
霊炎
仮説1にしろ、仮説2にしろ、「泥濘の騎士」は不死の肉体を持ってしまったことが推察されます。
だからこそ、泥濘の騎士は肉体を焼いて魂を循環させる役割の「霊炎」を信仰していると考えられます。
(詳細は「祖霊の王」や「死儀礼の鳥」、「ミミズ顔」の解説記事で説明しています)
実際、霊炎が穢れた死肉を焼き払うことが以下のテキストから読み取れます。
泥濘の渦
古い時代、死は霊炎に焼かれた
穢れた死肉、そのなれの果てであろうとも
かつて、死は等しくあったのだろう
以上の考察から、泥濘の騎士にとって、穢れた肉体を解放してくれるのが霊炎なのではないかと推察されます。
トリーナ
泥濘の騎士はトリーナを信仰しています。
その理由は、「トリーナの蜜により、永遠の安眠を得た」ためであることが以下のテキストに記載されています。
泥濘の追憶
泥濘は、穢れた死肉のなれの果てであり
トリーナの蜜により、永遠の安眠を得た
故に、泥濘は彼女の騎士となった
「永遠の安眠」とは何かについては確定情報はありません。
しかし、先ほどの仮説2における「永遠に呪われたまま」というワードの対比を考えると、「永遠の安眠=永遠の呪いからの解放」と解釈できるかもしれません。
苗床の呪い
糞食いは、死体を苗床に呪いを育てる
そうなれば、もはや死は黄金樹に還ることなく
永遠に呪われたままとなるだろう
以上の観点から考えると、トリーナの蜜は魂を殺す(穢れた死体に癒着した魂を剥がす)効果があり、だからこそ泥濘の騎士は、魂を解放してくれたトリーナを信仰しているのかもしれません。
余談
ちなみに本編で「泥濘」というワードは一度だけ登場しています。
それは、レナラ戦のラニのセリフです。
ラニ
魔女ラニの名において告げる
我が母の泥濘の眠りを侵すことなかれ
罪人よ
語り継ぐがよい
カーリア最後の女王、満月のレナラの
気高き夜の有り様を
これが、今回の「泥濘の騎士」と関連しているのかは謎です。
もしかしたら、トリーナの眠りとも関連しているのかもしれません。
おわりに
以上で泥濘の騎士の正体に関する考察を終了いたします。
そこで他の記事では、エルデンリングの全エンディングの解説や、エルデンリングのストーリー全体の解説などもしています。
また、一覧は以下です。
<神・王・女王>
大いなる意志、二本指・三本指、エルデの獣
マリカ・ラダゴン、ゴッドフレイ&ホーラ・ルー、満月の女王レナラ
竜王プラキドサクス、宵眼の女王
<デミゴッド>
聖樹のミケラ、腐敗のマレニア
魔女ラニ、星砕きのラダーン、冒涜の君主ライカード
死王子ゴッドウィン、血の君主モーグ、忌み王モーゴット
接ぎ木のゴドリック
<NPC>
メリナ、聖女トリーナ
死衾の乙女フィア、忌まわしき糞喰い、輝ける金仮面、百智卿ギデオン
シャブリリ、ハイータ
魔術師セレン、魔術教授セルブス、エンシャ、ネフェリ・ルー
タニス、ラーヤ
ブライヴ、イジー
白面のヴァレー、背律者ベルナール、血の狩人ユラ
しろがねのラティナ、アレキサンダー、ディアロス、トープス、ミリセント&ゴーリー、円卓の騎士ヴァイク、ヒューグ、ローデリカ、亜人のボック、死を狩る者D、パッチ、ロジェール、ゴストーク、ケネス・ハイト、復讐者エドガー
<ボス・敵>
黒き剣のマリケス、神肌の使徒、巨人、ラダゴンの赤狼、アステール、祖霊の王
白王・黒王、しろがね人、銀の雫、死儀礼の鳥、ミミズ顔
<その他重要な要素>
エルデンリング、黄金律、褪せ人、忌み子、坩堝、死のルーン、破砕戦争、陰謀の夜、エンディング
<DLC>
影の地、神の門
串刺し公メスメル、双月の騎士レナーラ、蕾の聖女ロミナ、宿将ガイウス、指の母メーテール、暴竜ベール、神獣獅子舞、黄金カバ、泥濘の騎士、指の母ユミル
針の騎士レダ、落葉のダン、ティエリエ、純血騎士アンスバッハ
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