ELDEN RINGでも最も謎に包まれているステージのひとつが「崩れゆくファルム・アズラ」です。
どうして崩れてるの?
なんでいきなり飛ばされた?
獣の司祭は何でこんなところにいるの?
といった疑問をお持ちかと思います。
そこでこの記事では、崩れゆくファルム・アズラについて考察していきます。
プラキドサクスが統治
結論を先に言うと、崩れゆくファルム・アズラは竜王プラキドサクスが治めていた地です。
そして崩れゆくファルム・アズラは時の狭間という時間の流れが普通ではない場所にあります。
プラキドサクスについて簡単に説明します。
竜王プラキドサクスはかつてのエルデの王であり、時の狭間(=崩れゆくファルム・アズラ)でずっと神(=大いなる意志?)を待ち続けています。
竜王の追憶
時の狭間、嵐の中心に座す竜王は
黄金樹の前史、エルデの王であったという
だが神は去り、王は帰還を待ち続けていた
ちなみに、かつてプラキドサクスが所持していたと思われるエルデンリングがファルム・アズラ最深部の壁に刻まれています。
なぜプラキドサクスはファルム・アズラで神を待っているのかというと、プラキドサクスの滅びの運命に逆らうためであると考えられます
プラキドサクスの滅び
それは、時の狭間に永遠に座した竜王の
滅びゆく断末魔であった
実際プラキドサクスはボロボロの状態で死ぬ寸前のようでした。
そこでプラキドサクスは自らの命を永らえるために、時間がゆっくり進んでいるファルム・アズラに住んで、神を待っているのかと考えられます。
古き王のタリスマン
時の狭間、嵐の中心に座すという
古き王を象ったタリスマン
古き王の都、ファルム・アズラは
遥か前からずっと
ゆっくりと崩壊しているという
ちなみに、なぜファルム・アズラの時間がゆっくり進んでいるのかについては、時の狭間が他の世界の時間軸に干渉しているためであると筆者は予想しています。
ファルム・アズラは元々は地上にあった?
次にファルム・アズラの歴史について考えてみます。
これについてはテキストの資料が少ないので、以下の狭間の地のマップから考えてみます。
結論を先にいうと、ファルム・アズラは元々は地上にあって、上のマップで言うとファルム大橋の北、滝の西の部分にあったのではないかと筆者は予想しています。
まず、見てお分かりの通り、ファルム・アズラは狭間の地の東端の上空に浮いています。
そして注目すべきは、ファルム大橋という場所が地上にあるということです。
ゲームをプレイしてみるとわかるのですが、このファルム大橋の北にはファルムアズラと似た様式の建物があります。
そして、このエリアには明らかにファルム・アズラに関連する敵が配置されています。
さらに、獣の司祭グラングがいるのもこのエリアです。
したがって、ファルム大橋の北のエリアがファルム・アズラと関連しているのは間違いないです。
さらに、ファルム大橋の北には不自然な滝があります。
この滝の大きさとファルム・アズラの大きさは大体同じです。
以上の状況から、この滝は、ファルム・アズラが空に飛んでいったことでできたと考えるのが自然です。
さらに、各地の神授塔を結ぶと六角形になりますが、これについてもファルム・アズラがファルム大橋の北にあったと考えた方が、地形と六角形の形の対応が良いと思います。
以上の考察から、ファルム・アズラは元々はファルム大橋の北の部分にあったと考えられます。
獣、竜、坩堝の騎士との関連
ゲームをプレイした人ならわかりますが、崩れゆくファルム・アズラには獣、竜、坩堝の騎士といった珍しい敵がたくさん配置されています。
実はこれらの敵には共通点があります。
その共通点とは、黄金樹以前に繁栄していた種族であるということです。
ELDEN RINGの世界では「坩堝→生命→黄金樹」という歴史があるのですが、獣、竜、坩堝の騎士は黄金樹以前の「坩堝→生命」の時代に繁栄していた種族になります。
これは、竜王プラキドサクスがエルデの前王(=黄金樹以前の王)であることを考えると、納得できます。
先程も述べた通り、ファルム・アズラは時間がゆっくりと進んでいるため、竜王プラキドサクスの時代(=黄金樹以前の時代)の種族が今もまだ繁栄していると解釈できます。
獣の司祭がファルム・アズラにいる理由
獣の司祭がファルム・アズラにいる理由を考察する前に、「獣」に関する情報をまとめます。
「獣」に関連するテキストは以下の通りです。
チンクエディア
ファルム・アズラにおいて
高位の司祭に与えられる短剣
獣の祈祷の威力を高める
かつて獣たちに贈られた知性
その象徴たる、五指が象られている
獣の石
黄金樹の以前、知性を得た獣たちは
石を最初の武器にしたという
獣の生命
知性を得た獣たちは、感じていたのだろう
文明が、やがて野生を失わせることを
獣集いの鎧
獣は英雄に惹かれ、王に惹かれる
故にこれは、王たる英雄の鎧であり
ベルナールはそれに相応しかった
以上のテキストをまとめると、まず黄金樹以前の時代に大いなる意志(=五本指)が獣に知性を与えたことがわかります。
そして、「獣は王に惹かれる」という表現から、獣は当時の王プラキドサクスの配下であったと考えられます。
実際、マリケスとセローシュ、ブライヴはそれぞれマリカとゴッドフレイ、ラニという王に仕えていますね。
以上の状況から、獣の司祭にとってファルム・アズラは聖地のような場所になっているのではないかと予想されます。
また、獣の司祭(=マリケス)は死のルーンを所持していました。
この死のルーンは神を殺す力を持っているため、多くの人物がこれを狙っています。
実際、陰謀の夜ではマリケスから死のルーンが盗まれてしまいました。
死のルーンが盗まれてしまったことを受けてマリケスは、「もう二度と死のルーンは盗ませない」と誓い、死のルーンを守るために自身の聖地であるファルム・アズラに身を潜めていたのではないかと筆者は予想します。
マリケス
褪せ人…まさか、お主が…
なぜ…
…だが、もう二度と、誰にも
運命の死、盗ませはせぬ
マリケスの黒き剣
陰謀の夜に、死の一部が盗まれた後
マリケスはこの剣を、自らの内に封じた
もう二度と、誰にも死を盗ませぬように
なぜファルム・アズラに飛ばされたのか
さて、なぜ黄金樹を焼いた後にファルム・アズラに飛ばされたのかについて考えてみます。
結論を言うと、火の神(=外なる神)の導きで、死のルーン所持者のマリケスのいる場所(=ファルム・アズラ)に飛ばされたと筆者は予想しています。
参考になる資料は以下のエンヤの発言です。
エンヤ
・・・あんた、種火を探すんだよ
世界樹を焼く火は、狭間の地の最も高い場所、巨人の大釜に燻っている
けれど、それを燃やすには、特別な種火が必要なのさね
・・・火の幻視を宿す者、その贄だけが、大釜の火で世界樹を焼くんだよ
そして、死のルーンへの導きとなるのじゃ
黄金樹を焼くことで、死のルーンへの導きになると言っていますね。
つまり、なぜファルム・アズラに飛んだかの答えは、ファルム・アズラに死のルーンの所持者のマリケスがいたからであると考えられます。
つまり、マリケスがいる場所ならば、ファルム・アズラでなくてもよかったと思われます。
さて、残る疑問は誰が主人公を死のルーン(≒ マリケス)のもとに導いたかということです。
エンヤの話では、「火の幻視を宿す者の贄」が死のルーンへの導きとなるとのことでした。
では「火の幻視」とはなんでしょうか。
この「幻視」というワードは、他では以下のような使われ方をしています。
エンヤ
女王マリカは、エルデンリングの宿主、その幻視を宿す者
すなわち神さね
けれど彼女は、エルデンリングが砕けた後、黄金樹に囚われておる
神として、律の砕け、その大過の罰としてね
エンヤ
マリカの大過は、大いなる罰に値する
だが彼女は、罰せられてなお神であり、幻視の器なのだ
その器に大ルーンを捧げるとき、お主は彼女の伴侶、エルデの王となろう
それこそが指の導きである
世界喰らいの王笏
世界を喰らわんとする大蛇の王笏
冒涜の君主が、いつか掲げんとする象徴
その様は、大蛇に喰われたライカードが
臨死に垣間見た、未来の幻視であるという
上のテキストから、「幻視=律」であることがわかります。
実際、ELDEN RINGのエンディングではマリカ(=幻視の器=律の器)に対して、どの律を当てはめるのかを決めていますしね。
つまり、「火の幻視を宿す者=火の律を宿す者」であると考えられます。
では、「火の律」とは何かという話ですが、腐敗の神(=外なる神のひとり)の律が腐敗の律に対応していることを考慮すると、火の神(=外なる神のひとり)の律が「火の律」であると推察されます。
この「火の神」というワード自体はゲーム中に出てこないのですが、かつてマリカ達と争った巨人一族が火に関連していることを考えると、巨人が神にしようとしていたのがこの「火の神」だった可能性が高いと思います。
さらに考察すると、「火の巨人の追憶」のテキストにおいて、釜の火には火の神の祝福が宿っていたとも解釈できます。
火の巨人の追憶
火の巨人は、巨人戦争の生き残りである
釜の火が不滅であると知った時
女王マリカは、刻印の呪いを施したのだ
小さき巨人よ。永遠の火守りとして生きるがよい
釜の火が神の祝福を受けているため、マリカですら釜の火を完全には滅することができなかったと考えられます。
長くなりましたが以上の話をまとめると、火の神の祝福(=導き)が宿っている釜の火を解放したことで、火の神の導きによって死のルーン(=黄金律を潰すもの)の所有者マリケスのいたファルム・アズラに飛ばされたと考えられます。
ファルム・アズラはなぜ崩れているのか?
最後にファルム・アズラがなぜ崩れているのかについて考察します。
今のところ筆者は2つの説を考えています。
それが、隕石説とゴッドフレイ説です。
それぞれについて解説していきます。
隕石説
隕石説とは、隕石の衝突でファルム・アズラが壊れたという説です。
根拠となるのが、「遺跡の大剣」のテキストです。
遺跡の大剣
空から降る遺跡の残骸
その砕けなかった欠片を鍛えた武器
「伝説の武器」のひとつ
その遺跡は隕石により崩壊したとされ
この武器は、崩壊の力を宿している
上テキストの「遺跡」が、ファルム・アズラを指しているのなら、ファルム・アズラは隕石の衝突で崩壊したということになります。
ちなみにこの遺跡は光を帯びやすい性質があるそうです。
遺跡石
遺跡の降った地で見出される小片
アイテム製作に用いる素材のひとつで
そのまま投げつけることもできる
それは空にある神殿の一部であるといい
光を帯びやすい性質を持つ
神殿石
遺跡の降った地で見出される小片
その中でも稀な、特に光を帯びたもの
アイテム製作に用いる素材のひとつ
これは光を帯び、またその光に力を与える
筆者は、五本指がプラキドサクスを見捨てて、エルデの獣を狭間の地に送り込んだ時に、ファルム・アズラに黄金の流星がぶつかって壊れたのだ予想しています。
そう考えると、ファルム・アズラの欠片が光を帯びているのにも説明がつきます。
エルデの流星
かつて、大いなる意志は
黄金の流星と共に、一匹の獣を狭間に送り
それが、エルデンリングになったという
ゴッドフレイ説
ゴッドフレイ説とは、ゴッドフレイの軍勢がファルム・アズラを破壊したという説です。
まず、黄金樹以前において、ゴッドフレイと竜は争っていました。
竜とゴッドフレイが争っていたことは複数のテキストで示唆されています。
グランサクスの雷
大古竜の襲来は、ローデイルの城壁が破れた
歴史上唯一の事例であり
続く古竜たちとの戦いの端緒でもあった
エルデの王装備
黄金樹の始まりは戦と共にあり
ゴッドフレイは戦場の王であった
巨人戦争、嵐の王との一騎討ち・・・
そして、好敵手がいなくなった時
王の瞳は色褪せたという
碑文
古竜戦役最後の地
黄金のゴッドウィン勇戦し
古竜フォルサクスを友とす
特に「嵐の王との一騎討ち」という部分から、ゴッドフレイと竜王プラキドサクスが直接対決したことがわかります。
結果、竜とゴッドフレイの争いはゴッドフレイの勝利に終わりました。
したがって、この争いによって、竜王プラキドサクスの本拠地であるファルム・アズラが壊れてしまったと予想されます。
また、時系列的にも、ゴッドフレイが勝利して王になる時期と、五本指(=プラキドサクス側)が二本指(=ゴッドフレイ側)になる時期も対応していると思われます。
また、ファルム・アズラに坩堝の騎士(=ゴッドフレイの部下)がいることも、過去にゴッドフレイと竜が争っていたことを考えると納得できます。
以上の考察から、ファルム・アズラが崩れているのはゴッドフレイが原因である可能性が考えられます。
追記
上の考察では「嵐の王=竜王プラキドサクス」としていますが、「嵐の王=嵐鷹の古王」という説もあります。今後DLCなどで新たな情報が入り次第、訂正していきます。
隕石説とゴッドフレイ説の2つを紹介しましたが、個人的には隕石説が正しいのかと思っています。
おわりに
以上で崩れゆくファルム・アズラに関する考察を終了いたします。
ELDEN RINGはストーリーの解説が極端に少ないので全貌が把握しにくいですよね。
そこで他の記事では、ELDEN RINGのストーリー全体の解説や、全エンディングの解説などもしています。
また、一覧は以下です。
<神・王・女王>
大いなる意志、二本指・三本指、エルデの獣
マリカ・ラダゴン、ゴッドフレイ&ホーラ・ルー、満月の女王レナラ
竜王プラキドサクス、宵眼の女王
<デミゴッド>
聖樹のミケラ、腐敗のマレニア
魔女ラニ、星砕きのラダーン、冒涜の君主ライカード
死王子ゴッドウィン、血の君主モーグ、忌み王モーゴット
接ぎ木のゴドリック
<NPC>
メリナ、聖女トリーナ
死衾の乙女フィア、忌まわしき糞喰い、輝ける金仮面、百智卿ギデオン
シャブリリ、ハイータ
魔術師セレン、魔術教授セルブス、エンシャ、ネフェリ・ルー
タニス、ラーヤ
ブライヴ、イジー
白面のヴァレー、背律者ベルナール、血の狩人ユラ
しろがねのラティナ、アレキサンダー、ディアロス、トープス、ミリセント&ゴーリー、円卓の騎士ヴァイク、ヒューグ、ローデリカ、亜人のボック、死を狩る者D、パッチ、ロジェール、ゴストーク、ケネス・ハイト、復讐者エドガー
<ボス・敵>
黒き剣のマリケス、神肌の使徒、巨人、ラダゴンの赤狼、アステール、祖霊の王
白王・黒王、しろがね人、銀の雫、死儀礼の鳥、ミミズ顔
<その他重要な要素>
エルデンリング、黄金律、褪せ人、忌み子、坩堝、死のルーン、破砕戦争、陰謀の夜、エンディング
<DLC>
影の地、神の門
串刺し公メスメル、双月の騎士レナーラ、蕾の聖女ロミナ、宿将ガイウス、指の母メーテール、暴竜ベール、神獣獅子舞、黄金カバ、泥濘の騎士、指の母ユミル
針の騎士レダ、落葉のダン、ティエリエ、純血騎士アンスバッハ
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