ELDEN RINGの物語は、砕かれたエルデンリングを修復するところから始まります
「そもそもなぜエルデンリングが砕かれたんだ?」
という疑問をお持ちかと思います。
そこでこの記事では、なぜエルデンリングが砕かれたのかについて徹底考察していきます。
エルデンリングとは何か
そもそもエルデンリングとはなんなんでしょうか?
「ELDEN RING」を日本語訳すると「ELDEN=狭間の地エルデの」、「RING=円環、輪廻、理」となります。
つまり、エルデンリングとは狭間の地にルールを強制させるアイテムです。
ここで、物語中で砕かれてしまった時点でのエルデンリングは、どのようなルールを狭間の地に強制していたのでしょうか。
それが黄金律です。
黄金律とは、黄金樹の記録を元にして、魂と肉体が永遠に復活を繰り返す律です。
そして、エンヤ曰く、黄金律によって生命は祝福と幸福を謳歌できるとのことです。
エンヤ
偉大なるエルデンリングは、黄金の律
それは世界を律し、生命は祝福と幸福を謳歌する
一見すると黄金律はいいルールのようにも見えます。
しかしこの黄金律に疑問を持った人物が現れます。
エルデンリングを砕いたのは女王マリカ
エルデンリングを砕いたのは女王マリカです。
公式動画内でもマリカがエルデンリングを破壊している様子が描かれています。
加えて、マリカがエルデンリングを破壊したことは、「マリカの槌」というアイテムのテキストに記載されています。
マリカの槌
狭間の外、稀人の地で作られたという石槌
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物
リングが砕けた衝撃で、半ば壊れており
ルーンの破片が食い込んでいる
「女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし」と記載されているので、女王マリカがエルデンリングを砕いた人物であることは間違いないでしょう。
その下に「ラダゴンが、それを修復しようとした」とありますが、ラダゴンとはマリカのもう一つ人格だと考えられます。
マリカとラダゴンは元々は別の個体だったようですが、同化して1つの存在になったのだと考えられます。
マリカとラダゴンが同化しようとしていることは、女王の閨におけるマリカの言霊でも以下のように示唆されています。
マリカの言霊
おお、ラダゴンよ、黄金律の犬よ
お前はまだ、私ではない。まだ、神ではない
さあ、共に砕けようぞ!我が半身よ!
上の文章はマリカの言葉であり、「ラダゴンよ、黄金律の犬よ」といっていることから、マリカとラダゴンで黄金律に対する考え方が異なっていたことがわかります。
つまり、マリカは黄金律に対してに疑問を持っているのに対し、ラダゴンは黄金律を崇拝していることがわかります。
ではなぜマリカは黄金律に疑問を持つようになったのでしょうか。
黄金律に疑問を持ったのはマリカの子供が原因
マリカが黄金律に疑問を持つようになったのはマリカの子供(デミゴッド)が原因であると考えられます。
ELDEN RINGの物語中ではマリカの子供がたくさん出てくるのですが、今回注目すべきはミケラとマレニアです。
ミケラとマレニアの生い立ちは、「腐敗の女王の追憶」というアイテムのテキストで説明されています。
腐敗の女王の追憶
ミケラとマレニアは、唯一人の神の子供である
故に二人は神人であるが、その生は脆弱であり
一方は永遠に幼く、一方は腐敗を宿した
「一方は永遠に幼く、一方は腐敗を宿した」という文章からも分かるように、ミケラは「永遠の幼さ」を、マレニアは「腐敗」生まれながらに宿しています。
ここで「幼さ」と「腐敗」って対応関係が悪いと思いませんか?
「幼さ」と「老い」とかなら対義語として関連しているのが分かるのですが、「幼さ」と「腐敗」はどのような関連があるのでしょうか?
その答えは、「青布の胴衣」というアイテムのテキストで示唆されています。
青布の胴衣
停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく
常に流れ行き、留まることなかれ
上の文章を言い換えると、「停滞(永遠の幼さ)が腐敗を生むから、永遠(黄金律)を否定せよ」となると考えられます。
要するに、永遠を是とする黄金律は一見完璧なように思えるが、結果として停滞と淀みが発生し、「永遠の幼さ」と「腐敗」を宿した子供が生まれるようになってしまったと考えられます。
また他にも、モーゴットやモーグなど生まれながらに呪いを宿した子供が他にもいます。
モーゴットとモーグは忌み子と呼ばれ、穢れた存在としてかなり酷い扱いを受けていました。
このような呪われた子供たちを目の当たりにしたマリカは、黄金律の不完全性を身をもって痛感し、黄金律を終わらせるためにエルデンリングを砕いたと考えられます。
マリカは子供を守りたかった?
マリカがエルデンリングを砕いた理由は黄金律を終わらせるためであると説明しましたが、それに加えて、マリカは子供たちを守るためにエルデンリングを砕いたと考えられます。
マリカが子供を守ろうとしていたことは、「外廊の戦場跡」の碑石から示唆されます。
マリカ
デミゴッド、我が愛し子たちよ
お前たちはもう、何者にもなれる。王であれ、神であれ
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる
・・・そして贄となるのだ
「デミゴッド、我が愛し子たちよ」という文章から、マリカは子供であるデミゴッドたちを愛していたことがわかります。
「そして贄となるのだ」という文章からは、マリカの子供であるデミゴッドたちが将来的に殺処分されることが示唆されています。
殺処分を決定するのは、大いなる意志の代弁者である二本指であると考えられます。
したがって、二本指に反逆してエルデンリングを破壊することで、殺処分される前に子供たちを守ろうとしたのではないでしょうか。
マリカは神ではありますが、情が深い人物であると考えられます。
マリカが情の深い人物であったことは、「完全律の修復ルーン」のテキストでも示唆されています。
完全律の修復ルーン
金仮面卿が見出したルーン
エルデの王が、壊れかけのエルデンリングを掲げる時
その修復に使用できる
それは、黄金律を完全にせんとする
超越的視座のルーンである
現黄金律の不完全は、即ち視座の揺らぎであった
人のごとき、心持つ神など不要であり
律の瑕疵であったのだ
この「人のごとき、心を持つ神など不要」という文章から、マリカが人の心を持っていたことがわかりますね。
きっかけはゴッドウィンの死
マリカがエルデンリングを砕いた理由はいくつかあると思われますが、直接の引き金は陰謀の夜における「ゴッドウィンの死」です。
ゴッドウィンの死がエルデンリングを砕く引き金になったことは、ロジェールという人物の発言からわかります。
ロジェール
…あれは遺物なのですよ。黒き刃の陰謀、そう呼ばれる凶刃の夜の
古い黄金樹の盛期、まだエルデンリングが砕ける前
何者かが、黒き剣のマリケスから死のルーンの欠片を盗み
冷たい夜に、黄金のゴッドウィンを弑したのです
それは、歴史上はじめてのデミゴッドの死であり
エルデンリングが砕け、破砕戦争が起こる、その切欠になったと言われています
上の文章で「何者かが、黒き剣のマリケスから死のルーンの欠片を盗み」と書いてありますが、この犯人こそがマリカ自身です。
マリカはゴッドウィンを殺すことで「死王子の修復ルーン」を取り出し、黄金律に終止符を打とうとしたのだと考えられます。
もう少しわかりやすく説明します。
先程、黄金律の永遠性によって淀みと腐敗が生じ、ミケラとマレニア、モーゴットなどに代表される、呪われた子供達が生まれ、マリカが黄金律に疑問を抱くようになったと説明しました。
そもそも、この黄金律の永遠性は、黄金律から運命の死を取り除くことで始まったことが「死王子の修復ルーン」で示されています。
死王子の修復ルーン
黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった
ならば新しい律は、死の回帰となるであろう
つまりマリカは死王子の修復ルーンを使用して、黄金律に運命の死を戻す(=死の回帰)ことを計画したのだと考えられます。
そして、この死王子の修復ルーンはデミゴッドが死んだ時に回収できることが「死の呪痕」のテキストで示されています。
死の呪痕
百足傷の欠環とも呼ばれる
呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ
円環を為すはずである
「円環」とは死王子の修復ルーンのことを指しているため、デミゴッドを殺すことで死王子の修復ルーンを回収できることがわかります。
しかしラニの予想外の行動で、ゴッドウィンの死は魂だけの死となってしまい、マリカは「死王子の修復ルーン」を手に入れられませんでした。
またマリカはゴッドウィンを蘇らせる手段として「死衾の乙女、フィア」の能力を利用しようとしていたのだと思われますが、ゴッドウィンの死が不完全であったために、ゴッドウィンはフィアの能力でも蘇れなくなってしまいました。
死王子の修復ルーンが手に入らず、黄金律に死の回帰をすることができない、、、、、そこで黄金律を終わらせる最終手段として、エルデンリングを破壊したのではないでしょうか。
もう少し深く考察すると、マリカ自身から死王子の修復ルーンを取り出すためにエルデンリングを破壊したと予想されます。
これについては以下で解説していきます。
マリカ自身に死のルーンを使用した?
ここまでで、マリカが黄金律に対して死の回帰を実現するために、死王子の修復ルーンを必要していることを説明しました。
ゴッドウィンから死王子の修復ルーンを回収できなかったマリカは、自分自身に死のルーンを使用することで、自らの体から死王子の修復ルーンを取り出そうとした可能性があります。
根拠の一つは、マリカがエルデンリングを砕いた時に、ゴッドウィンの体にあったのと同じ「百足傷」マリカの体にが浮かび上がっていることです。
先程の「死の呪痕」のテキストにあるように、「百足傷」は神が死んだ時にできる傷であるため、マリカが自らの体に死のルーンを使用したことを示唆しています。
また、マリカはエルデンリングと一体化していることが、指読みのエンヤのセリフで示唆されています。
指読みのエンヤ
マリカの大過は、大いなる罰に値する
だが彼女は、罰せられてなお神であり、幻視の器なのだ
以上の状況証拠をまとめると、マリカは死のルーンを使用してエルデンリング(=マリカ自身)を破壊することで、自らの肉体から死王子の修復ルーンを回収しようとしたと予想されます。
しかし、「マリカの槌」で示唆されているように、エルデンリングの破壊は途中でラダゴンによって阻止されてしまい、結果今の狭間の地の状況に至ったのではないでしょうか。
マリカの槌
狭間の外、稀人の地で作られたという石鎚
女王マリカが、エルデンリングを砕こうとし
ラダゴンが、それを修復しようとした得物
リングが砕けた衝撃で、半ば壊れており
ルーンの破片が食い込んでいる
またもう一つの根拠が、鍛冶屋ヒューグです。
ヒューグはマリカの命令で神(=マリカ)を殺す武器を作らされています。
ヒューグ
…儂の武器で、神を殺してくれ
それが儂の、生きたすべて
そして、女王マリカとの誓約なのだ
これも、マリカが自分自身を殺すことで死王子の修復ルーンを回収しようとしていると考えると合点がいきますね。
おわりに
以上でマリカがエルデンリングを破壊した理由に関する考察を終わりにします。
結論として、マリカは神ではありますが人間的な側面を持っており、それが原因でエルデンリングを破壊したと考えられます。
個人的にはいい神ではないかと思います。
ELDEN RINGはストーリーの説明が極端に少ないので、内容を掴みにくいですよね。
そこで他の記事では、エルデンリングの全エンディングの解説や、エルデンリングのストーリー全体の解説などもしています。
また、一覧は以下です。
<神・王・女王>
大いなる意志、二本指・三本指、エルデの獣
マリカ・ラダゴン、ゴッドフレイ&ホーラ・ルー、満月の女王レナラ
竜王プラキドサクス、宵眼の女王
<デミゴッド>
聖樹のミケラ、腐敗のマレニア
魔女ラニ、星砕きのラダーン、冒涜の君主ライカード
死王子ゴッドウィン、血の君主モーグ、忌み王モーゴット
接ぎ木のゴドリック
<NPC>
メリナ、聖女トリーナ
死衾の乙女フィア、忌まわしき糞喰い、輝ける金仮面、百智卿ギデオン
シャブリリ、ハイータ
魔術師セレン、魔術教授セルブス、エンシャ、ネフェリ・ルー
タニス、ラーヤ
ブライヴ、イジー
白面のヴァレー、背律者ベルナール、血の狩人ユラ
しろがねのラティナ、アレキサンダー、ディアロス、トープス、ミリセント&ゴーリー、円卓の騎士ヴァイク、ヒューグ、ローデリカ、亜人のボック、死を狩る者D、パッチ、ロジェール、ゴストーク、ケネス・ハイト、復讐者エドガー
<ボス・敵>
黒き剣のマリケス、神肌の使徒、巨人、ラダゴンの赤狼、アステール、祖霊の王
白王・黒王、しろがね人、銀の雫、死儀礼の鳥、ミミズ顔
<その他重要な要素>
エルデンリング、黄金律、褪せ人、忌み子、坩堝、死のルーン、破砕戦争、陰謀の夜、エンディング
<DLC>
影の地、神の門
串刺し公メスメル、双月の騎士レナーラ、蕾の聖女ロミナ、宿将ガイウス、指の母メーテール、暴竜ベール、神獣獅子舞、黄金カバ、泥濘の騎士、指の母ユミル
針の騎士レダ、落葉のダン、ティエリエ、純血騎士アンスバッハ
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また、なぜマリカがエルデンリングを砕いたのかに関するこの記事の英語版はこちらです。
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