ユミル卿とヨラーンの正体を考察 [エルデンリングDLC]

ユミル エルデンリング

エルデンリングの中でも最も謎に包まれているのが、二本指と大いなる意志です。

そしてこの二本指と大いなる意志に関連するイベントがDLCで追加されました。

それが、ユミル、ヨラーンに関連するイベントです。

この記事では、ユミル、ヨラーンについて解説&考察していきます。

ユミルについて

まずは、ユミルについてまとめていきます。

性別

ユミルは自ら「母になりたい」と述べていることから、女性のような印象を受けます。

また、なんとなく名前も女性っぽいです。

しかし、ユミルの性別が男であることは以下のテキストからわかります。

大司祭の帽子
大司祭、ユミル卿の帽子
頭上の真円は、大いなる意志
その暗黒の深淵を現しており
知力と神秘を高める
レラーナの魔術教授であった男は
だが、月への忠誠を棄てていた
それはただ、我らの近くにあったにすぎぬ

「レラーナの魔術教授であった男」というテキストから、ユミルは男であることがわかります。

ユミルは生物学的には男ですが、指を生み出すという意味で「指の母」という二つ名がついたのだと考えられます。

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輝石の魔術師

ユミルは輝石の魔術師であることが、ユミル自身から語られています。

ユミル
私も、輝石の魔術師です
星と、その生命を探究しています
貴方はご存知でしょうか?
人は皆、かつて彼方の爆発から生まれた、 星屑なのです
我々もまた、 大いなる意志の、子供たちなのですよ

ここで輝石の魔術とは何か?という疑問が湧きます。

輝石の魔術については、本編でセレンが以下のように話しています。

セレン
我らの魔術は、輝石の内に力を見出し、それを振るう術だ
では、その力とは何であるのか?
…輝石とは、星の琥珀なのだ
金色の琥珀が、古い生命の残滓を、その力を宿しているように
輝石には、星の生命の残滓、その力が宿っているのだよ
覚えておくがいい
輝石の魔術とは、星と、その生命の探求なのだと

詳しくは星の世紀エンドの記事セレンの記事で説明していますが、要するに輝石魔術とは輝石(魂が宿った石)から生命の力を取り出す魔術であると考えられます。

輝石には魂(≒生命)が宿っているため、「輝石の魔術とは、星と、その生命の探求」であり、ユミルもそれを探究しているとのことです。

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目的

ユミルの目的は、大いなる意思と同格の存在になることです。

ユミル
…私の、輝ける星よ
母の力を、渡してください
見て下さい、私の指たちを
私は、本当の母になります
そして、母は一人だけでよいのです!

ユミル
マリカが、 彼女を導いた指たちが、 最初から壊れていたのだと
けれど、あれは真実ではありません
…真に壊れていたのは、 狂っていたのは、 母なのです
指たちは、その落とし子にすぎません。 あれらもまた、哀れな被害者なのです
貴方は、母が必要だとは思いませんか?
壊れなど生まぬ、 新しい、 本当の母が

指の長衣
大司祭、ユミル卿の長衣
その前をはだけ、指の蠢きを露にしたもの
それは、彼の崇高な願い、欲求が
堪えきれず溢れ出した様であり
指の魔術を強化する
私は、本当の母になります
私の指が、世界を救いへと導くのです

上記テキストから、ユミルは「母」になろうとしていたことがわかります。

そして、大いなる意志と同格の存在(外なる神など)が「母」と表現されることは以下のテキストから推察されます。

双鳥のカイトシールド
色鮮やかな双鳥が描かれた盾
それは、外なる神の使いであり
死の鳥たちの母でもあるという

モーグウィンの聖槍
それは、呪われた血に力を与える
外なる神との交信の祭具でもある
真実の母は、傷を望んでいるのだ

血授
地の底で、傷を望む真実の母に見えた時
モーグの呪われた血は、炎となった
そして彼は、生まれついた穢れを愛したのだ

黄金の編み髪
切り落とされた黄金の編み髪
女王マリカの、大母への供物
聖カット率を、最も大きく高める
彼女が何を祈り、願い、告解したのか
知る者は誰もいない。ただその後に
マリカが故郷に戻ることはなかった

以上のテキストから、ユミルが大いなる意志と同格の存在になろうとしていたと考えられます。

エルデンリングの世界において王や神を目指す人物はたくさんいましたが、さらにその上位の存在である大いなる意志になるつもりなのはユミルが初かもしれません、、、、なかなかにすごい人かもしれません。

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大いなる意志

ユミルのちょっとした発言から、大いなる意志の元ネタが推測できます。

ユミル
貴方はご存知でしょうか?
人は皆、かつて彼方の爆発から生まれた、 星屑なのです
我々もまた、 大いなる意志の、子供たちなのですよ

上記のユミルの発言は解釈が難しいと思います。

詳しくはこちらの大いなる意志の考察記事で解説していすが、この発言は、大いなる意志がクトゥルフ神話の「外なる神」をモチーフしていると考えると納得できます。

外なる神(クトゥルフ神話)
宇宙創造、下手をしたらビッグバンの前の宇宙空間に漂っていた存在。
もしくはビッグバンそのものかもしれない人の想像することができる次元を超えた存在。
彼らは肉体を持たない超自然的存在や純粋なエネルギーの塊であることが多いといわれ、旧支配者(the Great Old Ones)と呼ばれる存在ですらひれ伏すばかりである。
外なる神から人間に干渉することはほとんどないといわれているが、人間から自ら召喚を行なったり、ニャルラトホテプ(Nyarlathotep)という存在は別である。
人智の及ばぬ存在。その断片を少しでも覗き込むことは実に危険なことである。
ニコニコ大百科より

これは、ELDEN RINGにおける「外なる神」の特徴にも当てはまると思われます。

また、外なる神は「もしくはビッグバンそのものかもしれない人の想像することができる次元を超えた存在」とのことです。

したがって、先程のユミルの「我々もまた、 大いなる意志の、子供たち」という発言は、「大いなる意志はビックバンそのものであり、ビックバンから始まった我々生命体は広義には大いなる意志の子供たちである」と解釈できます。

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マリカとミケラ

ユミルは、マリカとミケラに対してネガティブな意見を持っていることが以下の発言からわかります。

ユミル
···貴方も、目の当たりにしてきたのではないですか?
黄金樹の世の欺瞞、矛盾…人の愚かしさと、塗炭の苦しみを
何故、これほどに救いがないのでしょうか?
…悲しいかな、 その答えは明らかです
最初から、壊れていたのですよ。 狂っていたのですよ
マリカが。彼女を導いた指たちが
私は、それをこそ憂います
人々が如何にもがこうとも、その根本が壊れていては
…何が、 できようはずもありません

ユミル
ミケラ、あの幼き者は感じていました
自らの出自が、 血が、 如何に汚れ、 狂っているのかを
悲壮なことです
それが故に、すべてを棄ててしまおうなどと
ああ、すべては母の罪だというのに

マリカは(エルデンリングを砕く前までは)大いなる意志二本指の部下でした。

二本指の言葉
偉大なるエルデンリングは、黄金の律
それは世界を律し、生命は祝福と幸福を謳歌する
だが、それは砕かれてしまった
律の砕けは、許されぬ大過。それは当然の報いをもたらし…
今や世界は、生命は、どうしようもなく壊れている
呪いと不幸が蔓延っているのだ
だが、大いなる意志は、世界と生命を見捨てない

「最初から、壊れていたのですよ。 狂っていたのですよ。マリカが。彼女を導いた指たちが」というテキストから、ユミルは大いなる意志と二本指が壊れていると考えていることがわかります。

だからこそ、ユミルは大いなる意志や二本指に連なるマリカやミケラも壊れていると考えていることがわかります。

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ユーリとは?

ユミルは死亡時に「ユーリ」という謎の人物の名前を挙げます。

ユミル(死亡時)
ごめんね、ユーリ
貴方の母に、なりたかった…

この「ユーリ」ですが、他の登場場面は、墓のテキストに記載されているのみです。


私の愛しい子、儚いユーリ

この墓は、おそらくユミルが生み出したユビムシの墓です。

したがって、ユーリはユビムシなのではないかと推察されます。

ただ、ユミルが死亡時にユーリの名前を呼んでいることも考えると、ユーリは何かしら特別なユビムシなのかもしれません。

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星について

ユミルは「星」という言葉を多用しています。

ユミル
今宵、星空はとても暗い
けれども、それは決して凶兆ではない
私には、思えるのです。それは、大いなる輝きが降り注ぐ夜の、前触れであると

エルデンリングの世界観で、「星」は「月」に導かれることで生命の循環を担っていると考えられます。

具体的には、星が地上に降り注ぐことで、(星の中の)魂が再び生を得ると考えられます。

蝕紋の大盾
蝕の太陽が描かれた、金属の大盾
首のない、霊廟騎士たちの得物
蝕まれ、色を失くした太陽は
魂無きデミゴッドの守護星であり
彼らを、運命の死から遠ざけるという

ソール砦の霊
ソールの冷たい太陽よ どうか蝕まれ給え 魂無き骸に再誕を

夜の律

夜の律についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

以上の状況をまとめると、ユミルはラニの言う「星と月、冷たい夜の律」を実現しようとしていると推察されます。

ラニ
もう少し、話しておこうと思ってな
私の律について
私の律は、黄金ではない。星と月、冷たい夜の律だ
…私はそれを、この地から遠ざけたいのだ
生命と魂が、律と共にあるとしても、それは遥かに遠くにあればよい
確かに見ることも、感じることも、信じることも、触れることも
…すべて、できない方がよい
だから私は、律と共に、この地を棄てる

夜の律では星が地上に降り注ぐプロセスが必須です。

「大いなる輝きが降り注ぐ夜の、前触れ」と発言していることから、ユミルは星が地上に降り注ぐことを期待しています。

したがって、ユミルは夜の律を信仰していると推察できます。

ラニは「星と月、冷たい夜の律」を捨ててしまったので、代わりにそれを実現する役割としてユミルが当てがわれたのかもしれません。

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ヨラーンについて

続いてヨラーンについてまとめていきます。

ユミルに従う理由

ヨラーンはユミルの部下です。

ヨラーンがユミルに従う理由は、ユミルがヨラーンを助けたためではないかと推察されます。

ヨラーン
…ユミル卿は、 星だ
星のない夜、 私たちの世界に、 ただ一つの星なのだ
…あの時、私たちは卿を知り、星空を知った
この手が、届かなくてもよい
ただ見上げ、 その輝きに向かうだけで
私たちはもう、夜に迷うことはない

以下のテキストから、ヨラーンは「夜の剣士」として暗闇で生きてきたため、光をほとんど見ることがなかったのだと推察されます。

ヨラーンとアンナ
ユミル卿の傀儡、アンナを取り込んだ
二人の夜の剣士の霊体
ヨラーンの刀と、アンナの爪は
共に深黒であり、敵のガードを貫く
二人は、暗く寒い牢獄で生まれ
光を奪われ、夜の剣士として育てられた
それは彼女たちを、恐るべき刃となし
また心を弱くした

そんな状況の中で、ヨラーンは「…あの時、私たちは卿を知り、星空を知った」とのことですので、おそらくユミルがヨラーンを厳しい世界から助けたのだと推察されます。

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光について

先程の「星空」は、おそらく「暗い人生の一筋の光」みたいな意味だと推測されます。

このようにヨラーンは、「星」や「光」を「人生の希望、道標」みたいな意味で使用します。

これはおそらくヨラーンが「光を奪われ、夜の剣士として育てられた」ためであると推察されます。

(もしかしたら、ヨラーンは盲目なのかもしれません。)

上記のようにヨラーンの「光」に対する観念を理解すると、以下のテキストを解釈できます。

夜の剣士、ヨラーン
瞳膜の祝福を受け、光を得た剣士の霊体
漆黒の刀を振るい敵のガードを貫く
それは、望んだ星の光ではなかったが
確かに彼女の夜を照らした
だが、それは時に眩しすぎ
夜を消し去ってしまうだろう

祝福の瞳膜
黄金樹の祈祷が施された瞳膜
瞳に付けることで、祝福の光を仮初に与える
また、使用により装備した大ルーンの恩恵をもたらす
影の地で、黄金の司祭たちが
信徒の不安を取り除くために用いた
欺瞞であり、故に効果的であった

上記テキストにおいて、ヨラーンの望んだ光はユミルであるため、「欺瞞」を与える「祝福の瞳膜」は「望んだ星の光ではなかった」のだと解釈できます。

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アンナとは

ヨラーンにはアンナという妹がいたのではないかと推察されます。

まず、アンナがヨラーンと育てられたことは以下のテキストからわかります。

ヨラーンとアンナ
ユミル卿の傀儡、アンナを取り込んだ
二人の夜の剣士の霊体
ヨラーンの刀と、アンナの爪は
共に深黒であり、敵のガードを貫く
二人は、暗く寒い牢獄で生まれ
光を奪われ、夜の剣士として育てられた
それは彼女たちを、恐るべき刃となし
また心を弱くした

また、ヨラーンに妹がいることは以下のテキストからわかります。

ユミル
…あの娘は、かつて不幸でした
だから、他人に辛くあたることがあるのですが
…悪い娘ではないのです
ええ。 あれも、 あれの妹も、とても良い娘なのですよ

以上の2つのテキストから考えると、ヨラーンの妹がアンナである可能性が高いと思います。

ただし、アンナに関しては、「ユミル卿の傀儡、アンナを取り込んだ」というテキストから、すでに傀儡になっていると考えられます。

傀儡については本編でセルブスのイベントで多く語られていますが、傀儡とは魂が死んだ肉体だけの存在であると考えられます。

王骸装備
黄金の人骨を設けた手甲
百智卿ギデオンの、物言わぬ従者の装備
HPが減少したときだけ
HPをゆっくりと回復する
その人骨は、古い王の遺骸であるという
魂無き王、縋り付く者たちの王
その名をエンシャという

(以下は根拠がないので参考程度にお願いします。)

アンナがなぜ傀儡になったのかは不明ですが、ヨラーンがユミルを信仰していることを考えると、なんらかの理由で死んだアンナをユミルが傀儡として残したのかもしれません。

セレンが研究していた輝石魔術の源流では、無機物に魂を入れることができるので、ヨラーンはユミルの使用する輝石魔術の源流でアンナを生き返らせたかった可能性も考えられます。

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おわりに

以上でユミルとヨラーンに関する考察を終了いたします。

また、エルデンリングはストーリーの解説が極端に少ないので全貌が把握しにくいですよね。

そこで他の記事では、エルデンリングの全エンディングの解説や、エルデンリングのストーリー全体の解説などもしています。

また、一覧は以下です。

<神・王・女王>
大いなる意志二本指・三本指エルデの獣
マリカ・ラダゴンゴッドフレイ&ホーラ・ルー満月の女王レナラ
竜王プラキドサクス宵眼の女王

<デミゴッド>
聖樹のミケラ腐敗のマレニア
魔女ラニ星砕きのラダーン冒涜の君主ライカード
死王子ゴッドウィン血の君主モーグ忌み王モーゴット
接ぎ木のゴドリック

<NPC>
メリナ聖女トリーナ
死衾の乙女フィア忌まわしき糞喰い輝ける金仮面百智卿ギデオン
シャブリリハイータ
魔術師セレン魔術教授セルブスエンシャネフェリ・ルー
タニスラーヤ
ブライヴイジー
白面のヴァレー背律者ベルナール血の狩人ユラ
しろがねのラティナアレキサンダーディアロストープスミリセント&ゴーリー円卓の騎士ヴァイクヒューグローデリカ亜人のボック死を狩る者Dパッチロジェールゴストークケネス・ハイト復讐者エドガー

<ボス・敵>
黒き剣のマリケス神肌の使徒巨人ラダゴンの赤狼アステール祖霊の王
白王・黒王しろがね人銀の雫死儀礼の鳥ミミズ顔

<場所>
狭間の地永遠の都ファルム・アズラ円卓

<その他重要な要素>
エルデンリング黄金律褪せ人忌み子坩堝死のルーン破砕戦争陰謀の夜エンディング

<DLC>
影の地神の門
串刺し公メスメル双月の騎士レナーラ蕾の聖女ロミナ宿将ガイウス指の母メーテール暴竜ベール神獣獅子舞黄金カバ泥濘の騎士指の母ユミル
針の騎士レダ落葉のダンティエリエ純血騎士アンスバッハ

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