ELDEN RINGのストーリーの中でも最重要事件の一つが「陰謀の夜」です。
なんでもこの「陰謀の夜」がきっかけでエルデンリングが砕かれてしまったのだとか、、、、
そこでこの記事では陰謀の夜の解説と真相を考察していきます。
時系列
まずは陰謀の夜に何が起きたのかを時系列でまとめていきます。
1, マリケスから死のルーンが盗まれる
死のルーンとは、黄金樹に祝福され不死であるデミゴッドすら殺すことのできる力です。
マリケスとは女王マリカの眷獣であり、マリカが自身の眷獣であるマリケスに死のルーンを管理させていました。
陰謀の夜はマリケスから死のルーンが盗まれるところから始まるのですが、マリケスから死にルーンを奪った黒幕はマリカであることが示唆されています。
マリケスから死のルーンを奪った黒幕がマリカであることは、「黒き剣の追憶」というアイテムのテキストで、以下のように記載されています。
黒き剣の追憶
マリケスは、神人に与えられる影従の獣であった
マリカは影従に、運命の死の封印たるを望み
後にそれを裏切ったのだ
マリカが陰謀の夜の黒幕であったことは他にも証拠があります。
例えば、「黒き刃のフード」というアイテムのテキストには以下のような記述があります。
黒き刃のフード
黒き刃の刺客たちのフード
陰謀の夜の実行犯たる刺客たちは
すべて女性であり、一説には
マリカに近しい稀人であったという
陰謀の夜の実行犯たちがマリカに近しい稀人であったことがわかりますね。
ちなみに「稀人」とはマリカの同族であることが、「稀人のルーン」というアイテムのテキストに記載されています。
稀人のルーン
稀人は、かつて狭間の外からやってきた
女王マリカの同族であるという
ちなみに、陰謀の夜の黒幕はマリカだけではありません。
ラニとライカードというデミゴッドも黒幕です。
ラニが黒幕であることはロジェールという人物の以下の話からわかります。
ロジェール
…それに儀式の主、つまり陰謀の夜の主犯も、見当がつきましたよ
月の王女ラニ。王配ラダゴンと最初の妻レナラの、子供たちのひとり
将軍ラダーン、法務官ライカードの兄妹たるデミゴッド
刻印には、彼女の名が隠されていたのです
またラニ自身も以下のように自白しています。
ラニ
死のルーンの一部を盗み、儀式により、それを神殺しの黒き刃となした
全て私がやったことだ
ラニは完全に黒ですね。
ライカードについては、「冒涜の爪」というアイテムのテキストに以下のように記載されています。
冒涜の爪
陰謀の夜、法務官ライカードは
ラニからの謝礼として片鱗を貰い受けた
いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに
運命の死たる黒獣に挑む切り札として
黒幕であるラニから謝礼を受け取っているということは、ライカードもグルであったことがわかります。
2, 死のルーンによってゴッドウィンを殺害
次に、先程盗まれた死のルーンが使用されてゴッドウィンが殺害されます。
このゴッドウィンの殺害の実行犯が「黒き刃」と呼ばれる一団です。
先程の「黒き刃のフード」のテキストにあるように、「黒き刃」は全て女性でマリカに近しい稀人であったことがわかっています。
なぜ全て女性であったのかは不明です。
そして、この「黒き刃」に死のルーンを宿した武器を渡したのがラニです。
ラニが「黒き刃」に武器提供したことは、ラニ自身が「死のルーンの一部を盗み、儀式により、それを神殺しの黒き刃となした」と発言していることと、「黒き刃」というアイテムのテキストに以下のように記述されていることからわかります。
黒き刃
かつて、黒き刃の陰謀の夜に
黄金のゴッドウィンを殺した刺客たちの短刀
その奇妙に捻れた刃には、儀式により
盗まれた死のルーンの力が宿っている
よって、陰謀の夜では、ラニが儀式によって死のルーンを武器に付与して、その武器を「黒き刃」に渡し、ゴッドウィンを殺害させたということです。
3, ゴッドウィンは”魂”、ラニは”肉体”だけが死ぬ
「黒き刃」によってゴッドウィンが殺害されたのですが、ゴッドウィンの死は”魂”だけの死となってしまいました。
これは、死のルーンが「魂を殺す死のルーン」と「肉体を殺す死のルーン」で構成されているためです。
この「魂を殺す死のルーン」の方がゴッドウィンの殺害に使用された結果、ゴッドウィンは魂が死んで肉体が生きている「死に生きるもの」になってしまします。
そして、「肉体を殺す死のルーン」の方はラニに使用されました。
これは「死の呪痕」というアイテムのテキストで、以下のように記述されています。
死の呪痕
月の王女ラニの、棄てた肉体に刻まれた呪痕
百足傷の欠環とも呼ばれる
呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ
円環を為すはずである
だが、デミゴット最初の死者は二人あり
呪痕は2つの欠環となった
ラニは、肉体だけの最初の死者であり
故に死王子は、魂だけの最初の死者なのだ
ラニが「肉体だけの使者」で、ゴッドウィンが「魂だけの死者」になってしまったことがわかりますね。
以上が陰謀の夜で何が起きたかのまとめです。
ライカード、ラニ、マリカの思惑
ここまでで、陰謀の夜に何が起きたのかがわかりました。
気になるのは、黒幕であるライカード、ラニ、マリカがなぜ陰謀の夜を企てたのか?ですよね。
そこで、ライカード、ラニ、マリカのそれぞれの思惑を考察していきます。
ライカードの思惑
ライカードが陰謀の夜を企てだ理由は、冒涜の爪を手に入れるためだと考えられます。
冒涜の爪
死のルーンの片鱗が刻まれた岩片
黒き剣の力を逸らすことができる
陰謀の夜、法務官ライカードは
ラニからの謝礼として片鱗を貰い受けた
いつか来る冒涜の時、黒き剣のマリケスに
運命の死たる黒獣に挑む切り札として
「死のルーンの片鱗」は「死のルーンの一部」とも解釈できますが、英語の説明では「死のルーンの痕跡(traces of the Rune of Death)」と表現されています。
Blasphemous Claw
A slab of rock engraved with traces of the Rune of Death.
Can deflect the power of the Black Blade.
On the night of the dire plot, Ranni rewarded Praetor Rykard with these traces. Should the coming trespass one day transpire, they would serve as a last-resort foil, allowing Rykard to challenge Maliketh the Black Blade, the black beast of Destined Death.
したがって、冒涜の爪は死のルーンが付与されているわけではなく、あくまで死のルーンを逸らす力を持った「痕跡」が付与されていると考えられます。
そしてライカードが冒涜の爪を使って何をするかというと、それは「神を食うこと」です。
上の文章の「冒涜の時」とは「神を食う時」のことを指します。
ライカード
よいではないか
お主・・・
我、蛇の王の家族となり
共に神をも喰らおうぞ!
要するに、ライカードはいつの日かマリケスから死のルーンを奪い取って神を殺して食うことを計画しており、その前段階としてラニから冒涜の爪(死のルーンの力を逸らす効果をもつ)をもらうために陰謀の夜に協力したということです。
ゲーム中で、ライカードは火山館というところで英雄を騙し討ちして食い続けています。
ライカードの怨霊
それは、英雄たちの非業の怨霊である
彼らは、王に見え、歓迎と共に貪り食われ
大蛇の中で、王の家族となったのだ
なぜ英雄を食い続けているのかというと、力を手に入れて神に復讐をするためであると考えられます。
もしくは、ライカードを喰った蛇の正体が宵眼の女王であり、かつて奪われた死のルーンを取り返すためにマリケスと戦おうとしている可能性も考えられます。
ラニの思惑
ラニが陰謀の夜を企てた理由は、自殺によって二本指から逃れるためです。
このことはラニ自身が以下のように語っています。
ラニ
私はかつて神人であった
デミゴッドの中でミケラとマレニア、そして私だけが
それぞれの二本指に見出され、女王マリカを継ぐ、次代の神の候補になったのだ
…そして私は二本指を拒んだ
死のルーンを盗んで、神人たる自らの身体を殺し、棄ててでも
二本指は黄金律の伝道師みたいな存在ですが、ラニは黄金律を憎む立場にあったため、二本指とラニは対立関係にあります。
二本指は対象をある程度洗脳する能力があったようで、ラニが二本指の支配から逃れるためには自殺しか手段がなかったことが推察されます。
しかしラニには「黄金律」に代わって「夜の律をこの地から離す」という目標があったため、完全には死にたくなかったのだと思われます。
そこでラニは、「肉体を殺す死のルーン」を使用して肉体だけを殺し、魂は人形に定着させたのだと考えられます。
マリカの思惑
マリカの思惑については現時点では資料が足りないため、筆者の推論の部分が多いことをご容赦ください。
マリカが陰謀の夜に加担した理由は、「死王子の修復ルーン」を手に入れるためであると考えられます。
ちなみにこの「死王子の修復ルーン」は、デミゴッドが完全に死んだ時に得られるものです。
これは先程紹介した「死の呪痕」のテキストからわかります。
死の呪痕
呪痕は、デミゴッド最初の死に刻まれ
円環(=死王子の修復ルーン)を為すはずである
そして「死王子の修復ルーン」のテキストは以下の通りです。
死王子の修復ルーン
それは、2つの欠環が合わさった聖痕であり
死に生きる理を、律の一部とするものである
黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった
ならば新しい律は、死の回帰となるであろう
要するに、マリカは黄金律に対して「死の回帰」を実現しようとしていたと考えられます。
「死の呪痕」のテキストにおける円環(=リング)とは「律」を表しており、したがってデミゴッドが死ぬことで黄金律の永遠性が否定され、死の回帰が実現されると解釈できます。
もう少しわかりやすく説明していきます。
上の文章で「黄金律は、運命の死を取り除くことで始まった」とあるように、黄金律には運命の死がありません。
言い換えると、黄金律の根幹は「永遠」という概念にあります。
しかしマリカは、この永遠という概念に疑問を持っていたと考えられます。
これについては、マリカの子供であるミケラとマレニアが関連してきます。
ミケラとマレニアは神マリカと神ラダゴンから生まれてくるため、「マレニアの大ルーン」のテキストに記載されているように、本来は最も神聖な存在であったはずです。
マレニアの大ルーン
マレニアは、女王マリカとラダゴンの子である
その大ルーンは、最も神聖なはずであった
しかし、ミケラとマレニアには「永遠の幼さ(停滞)」と「腐敗(淀み)」の呪いが宿っていました。
この「永遠の幼さ(停滞)」と「腐敗(淀み)」は黄金律における「永遠」という概念が関連しているます。
これについては、「青布の胴衣」というアイテムのテキストに以下のように記載されています。
青布の胴衣
停滞はやがて淀みとなり、腐りゆく
常に流れ行き、留まることなかれ
マリカは、黄金律の「永遠」が「停滞」と「淀み」を生むことを身をもって悟り、黄金律に「運命の死(=流れ)」という概念を取り入れようと考えたのではないでしょうか。
そして最初に述べたとおり、黄金律に死の概念を取り込むには「死王子の修復ルーン」、つまりデミゴッドの死が必要であり、そのためにマリカは陰謀の夜に加担したと考えられます。
ここでさらに情報を付け加えておくと、死んだゴッドウィンを復活させられる人物が存在します。
それが「死衾の乙女、フィア」です。
フィアは死者を生き返らせる能力があり、ゲーム中でもゴッドウィンを生き返らせようとしていました。
またフィアも死王子のルーンを使用して黄金律に死の回帰を実現したがっていたため、この点もマリカと利害関係が一致しています。
マリカはデミゴッドたちを愛していたため、フィアなどを使ってゴッドウィンも生き返らせるつもりだったのではないでしょうか。
実際、マリカがデミゴッドを愛していたことは「外廊の戦場跡」の碑石からもわかります。
碑石
デミゴッド、我が愛し子たちよ
お前たちはもう、何者にもなれる。王であれ、神であれ
そして、何者にもなれぬ時、お前たちは見棄てられる
・・・そして贄となるのだ
しかし、陰謀の夜の結末はご存じの通りで、ゴッドウィンの死は魂だけの不完全な死となってしまいました。
「ゴッドウィンが死んだことでマリカは狂ったのだろう」とラニが語っていることからもわかるように、ゴッドウィンの不完全な死はマリカにとっては誤算であったのではないかと考えられます。
ゴッドウィンが不完全に死んだことによって「死王子の修復ルーン」は得られず、さらに「死衾の乙女、フィア」の能力でゴッドウィンを生き返らせることもできなくなってしまいました。
その結果マリカはエルデンリングを砕くことになるのですが、マリカがエルデンリングを砕いた理由の詳細はこちらの記事で解説しています。
おわりに
以上で陰謀の夜の考察を終了いたします。
ELDEN RINGはストーリーの解説が極端に少ないので全貌が把握しにくいですよね。
そこで他の記事では、ELDEN RINGのストーリー全体の解説や、全エンディングの解説などもしています。
また、一覧は以下です。
<神・王・女王>
大いなる意志、二本指・三本指、エルデの獣
マリカ・ラダゴン、ゴッドフレイ&ホーラ・ルー、満月の女王レナラ
竜王プラキドサクス、宵眼の女王
<デミゴッド>
聖樹のミケラ、腐敗のマレニア
魔女ラニ、星砕きのラダーン、冒涜の君主ライカード
死王子ゴッドウィン、血の君主モーグ、忌み王モーゴット
接ぎ木のゴドリック
<NPC>
メリナ、聖女トリーナ
死衾の乙女フィア、忌まわしき糞喰い、輝ける金仮面、百智卿ギデオン
シャブリリ、ハイータ
魔術師セレン、魔術教授セルブス、エンシャ、ネフェリ・ルー
タニス、ラーヤ
ブライヴ、イジー
白面のヴァレー、背律者ベルナール、血の狩人ユラ
しろがねのラティナ、アレキサンダー、ディアロス、トープス、ミリセント&ゴーリー、円卓の騎士ヴァイク、ヒューグ、ローデリカ、亜人のボック、死を狩る者D、パッチ、ロジェール、ゴストーク、ケネス・ハイト、復讐者エドガー
<ボス・敵>
黒き剣のマリケス、神肌の使徒、巨人、ラダゴンの赤狼、アステール、祖霊の王
白王・黒王、しろがね人、銀の雫、死儀礼の鳥、ミミズ顔
<その他重要な要素>
エルデンリング、黄金律、褪せ人、忌み子、坩堝、死のルーン、破砕戦争、陰謀の夜、エンディング
<DLC>
影の地、神の門
串刺し公メスメル、双月の騎士レナーラ、蕾の聖女ロミナ、宿将ガイウス、指の母メーテール、暴竜ベール、神獣獅子舞、黄金カバ、泥濘の騎士、指の母ユミル
針の騎士レダ、落葉のダン、ティエリエ、純血騎士アンスバッハ
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