ELDEN RINGで最も謎に包まれているボスの一人が「祖霊の王」です。
特殊なボスしか所持していないはず「追憶」を持っているため、何か大きな意味のあるボスであると考えられます。
そこでこの記事では、祖霊の王の正体について考察していきます。
死から生を作る役割
祖霊の王の正体は、死から生を作る存在であると考えられます。
わかりやすくいうと、「死から生を作る」とは「死者の魂を吸収して新たな生命の苗床」にすることです。
これは、祖霊の王が角に魂を吸収してHPを回復することや、その角から新しい生命が芽吹いていることから推察されます。
祖霊の角
祖霊の王の角を切り取ったもの
敵を倒したとき、FPを回復する
倒れた王の角を苗床に
幾つもの若芽が開き、光を放っている
それは、死から芽吹いた命であり
死から力を得る
また、祖霊の王が死から生を作っていることは、「祖霊の王の追憶」のテキストで示唆されています。
祖霊の王の追憶
祖霊とは、黄金樹の外にある神秘である
死から芽吹く命、生から芽吹く命
そうした、生命のあり様である
上テキストの「死から芽吹く命」という表現が、「魂(=死)を吸収して新たな生命を作る」ことを意味しているのだと考えられます。
黄金律との関連
祖霊の王は黄金樹(≒ 黄金律) の外の存在であることが複数のテキストで示されています。
祖霊の王の追憶
祖霊とは、黄金樹の外にある神秘である
死から芽吹く命、生から芽吹く命
そうした、生命のあり様である
大角の頭環
一対の大角を飾った頭冠
祖霊の民の、戦士の装束
黄金樹から距離を置く、祖霊の民は
新たなる芽吹きを待ち続けている
自らの体に、そして魂に
ここで、祖霊の王がなぜ黄金律の外の存在であるのかについて考えてみます。
黄金律とは、黄金樹に魂を記録しておくことで永遠の生を享受できるシステムであると考えられます。
一方、黄金律の外にある「生命のあり様」については「死から芽吹く命、生から芽吹く命、そうした、生命のあり様である」と記載されています。
図に表すと以下のようになると考えられます。
「生から芽吹く命」とは、交配や分裂で生命から生命が誕生する過程であり、「死から芽吹く命」とは、死者の魂を祖霊の角で吸収して新たな生命の苗床にする過程であると考えられます。
黄金律では、魂が黄金樹に記録されることで永遠の生を得るのに対して、祖霊の生命のあり様では、魂は別の経路で新しい生に変換されるのだと解釈できます。
ちなみに、この「死から芽吹く命、生から芽吹く命、そうした、生命のあり様」において重要な役割を果たしているのが、ミミズ顔と霊炎です。
具体的には、肉体の有機物をミミズ顔が分解し、無機物(骨)と魂は霊炎で焼くことで、「死から芽吹く命」のサイクルを担っていると考えられます。
青白い炎について
祖霊の王の特徴的な攻撃が、青白い炎ですよね。
この青白い炎は「霊の飛沫」であることが「幼祖霊の頭」のテキストに記載されています。
幼祖霊の頭
これから幾度も芽吹きを迎えるであろう
ごく幼い祖霊の頭蓋
FPを消費して、霊の飛沫を振りまき
魔力ダメージを与える
飛沫は一時的に泉となり、消えるまで
触れたものにダメージを与え続ける
祖霊は角から魂を吸収することを考慮すると、この青白い炎は角から吸収した魂を振り撒いたものであると考えられます。
五火説との関連
エルデンリングの世界観は「五火説」に基づいており、祖霊の王は五火説における魂の流れにおいて重要な役割を果たしていると考えられます。
wikipediaによると「五火説」以下の通りです。
五火説
五火説とは、五つの祭火になぞらえ、死者は月にいったんとどまり、雨となって地に戻り、植物に吸収されて穀類となり、それを食べた男の精子となって、女との性的な交わりによって胎内に注ぎ込まれて胎児となり、そして再び誕生するという考え方である。二道説とは、再生のある道(祖霊たちの道)と再生のない道(神々の道)の2つを指し、再生のある道(輪廻)とはすなわち五火説の内容を示している。
「死者は月にいったんとどまり、雨となって地に戻り」という部分は、夜の律における「星となった死者の魂が月の導きで地上に放り注ぐこと」に対応しています。
そして、「植物に吸収されて穀類となり」の部分は、「祖霊の王が魂を吸収して生命を芽吹かせること」に対応しています。
また、「再生のない道(神々の道)」という部分は、「琥珀色の星光」のテキストにおいて「神々の運命」と表現されています。
琥珀色の星光
琥珀色に輝く、儚い細片
束の間に流れた星光の残滓
星光が運命を司るとすれば
琥珀色のそれは、神々の運命であるとされ
特別な精薬の材料となる
人の身で口にすることはできない
以上の考察から、エルデンリングの世界観は「五火説」に基づいており、祖霊の王は五火説における魂の流れにおいて重要な役割を担っていたのだと考えられます。
坩堝との関連
祖霊の王の角は坩堝と関連していると考えられます。
角と坩堝が関連していることは「坩堝の角盾」や「坩堝の諸相・角」のテキストで示唆されています。
坩堝の角盾
赤味を帯びた黄金で作られた、大角の盾
坩堝の騎士たちが用いる大盾
古い聖性を宿しており
シールドバッシュで使用することで
坩堝の角は、敵を穿ち貫く
坩堝の諸相・角
古い黄金樹の祈祷のひとつ
大角を肩に生じ、低い姿勢から突き上げる
タメ使用で突進する
それは、黄金樹の原初たる生命の力
坩堝の諸相のひとつである
かつて、生命は混じり合っていた
坩堝とは「生命が混じり合った状態」です。
そして、角は魂を吸収する効果を持っていました。
つまり、魂が一つの角に混じり合うことが坩堝が生まれるのではないかと推察されます。
苗床の呪いとの関連
祖霊の王の角は「苗床の呪い」と関連していると考えられます。
苗床の呪い
糞喰いが殺し、穢した死体に生じる呪い
忌み角に侵された生乾きの宿痾
糞喰いは、死体を苗床に呪いを育てる
そうなれば、もはや死は黄金樹に還ることなく
永遠に呪われたままとなるだろう
狭間の地で、最も忌まわしいもののひとつである
結論を先に言うと、「苗床の呪い」とは「祖霊の角」に呪いを植え付けたものであると考えられます。
先程も述べた通り、祖霊の角は魂を集めて新しい生命の苗床とする役割があります。
したがって、この祖霊の角を呪ってしまえば、それを苗床にして生まれた全ての生命を呪うことができると考えられます。
実際、この苗床の呪いを使って世界を全て呪おうとしていた人物が糞喰いです。
糞喰いに関連するエンディングでは、苗床の呪いによって永遠に続く呪いの世界が実現されます。
忌み呪いの修復ルーン
それは、子も、孫も、その先も
永遠に続く忌み呪いの病巣である
律のすべてが穢れてしまえば
すべての穢れは、穢れでなくなる
すべての呪いに祝福あれ
祖霊の角に呪いをかけるだけでこんなに恐ろしい世界ができてしまうのですね、、、、
エンディングの一つにもなっていることから祖霊の角の重要性が示唆されており、だからこそ祖霊の王は「追憶」を所持していたのだと考えられます。
おわりに
以上で祖霊の王に関する考察を終了いたします。
また、エルデンリングはストーリーの解説が極端に少ないので全貌が把握しにくいですよね。
そこで他の記事では、エルデンリングの全エンディングの解説や、エルデンリングのストーリー全体の解説などもしています。
また、一覧は以下です。
<神・王・女王>
大いなる意志、二本指・三本指、エルデの獣
マリカ・ラダゴン、ゴッドフレイ&ホーラ・ルー、満月の女王レナラ
竜王プラキドサクス、宵眼の女王
<デミゴッド>
聖樹のミケラ、腐敗のマレニア
魔女ラニ、星砕きのラダーン、冒涜の君主ライカード
死王子ゴッドウィン、血の君主モーグ、忌み王モーゴット
接ぎ木のゴドリック
<NPC>
メリナ、聖女トリーナ
死衾の乙女フィア、忌まわしき糞喰い、輝ける金仮面、百智卿ギデオン
シャブリリ、ハイータ
魔術師セレン、魔術教授セルブス、エンシャ、ネフェリ・ルー
タニス、ラーヤ
ブライヴ、イジー
白面のヴァレー、背律者ベルナール、血の狩人ユラ
しろがねのラティナ、アレキサンダー、ディアロス、トープス、ミリセント&ゴーリー、円卓の騎士ヴァイク、ヒューグ、ローデリカ、亜人のボック、死を狩る者D、パッチ、ロジェール、ゴストーク、ケネス・ハイト、復讐者エドガー
<ボス・敵>
黒き剣のマリケス、神肌の使徒、巨人、ラダゴンの赤狼、アステール、祖霊の王
白王・黒王、しろがね人、銀の雫、死儀礼の鳥、ミミズ顔
<その他重要な要素>
エルデンリング、黄金律、褪せ人、忌み子、坩堝、死のルーン、破砕戦争、陰謀の夜、エンディング
<DLC>
影の地、神の門
串刺し公メスメル、双月の騎士レナーラ、蕾の聖女ロミナ、宿将ガイウス、指の母メーテール、暴竜ベール、神獣獅子舞、黄金カバ、泥濘の騎士、指の母ユミル
針の騎士レダ、落葉のダン、ティエリエ、純血騎士アンスバッハ
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